□ふかふかほかほか
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「…ふかふか」隣に立ってそうっと触ると、想像よりもずっと柔らかくてふかふかだった。その気持ち良さに思わず頬が緩む。
「気持ち良いでしょ?寄り掛かっても良いよ」その嬉しそうな様子に自分も嬉しくなりながら、神獣は優しく言った。いつも一人でいるこの子に、つかの間でも安らぎを与えたい。少年が大人になるまでを生きられない子供であると、白澤は知っていた。
「良いの?」瞳を輝かせて確認を取ると、少年は寝そべっている神獣に、自分も寝そべるように寄り掛かった。
「ふかふか…それに、あったかい」暖かな陽光と柔らかな毛に包まれて、少年はそう呟く。
「…風も気持ち良いね。ちょっとお昼寝しよっか」白澤がうつらうつらとし始めた少年に言うと、微かな「うん」という返事が聞こえた。


「…ふかふか……ほかほか…」時々寝返りをうちながら、幸せそうに眠る少年を守る様に包んで、共に眠る神獣がひとり。








Fin.
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