□涙の行方
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涙の行方











―成り上がり。

―元人間。

―親無し子。

―大した能力も無い。

―いずれは落ちるに決まっている。




嗚呼、うるさい。どいつもこいつも。


「…朝、ですか」差し込む朝日にむくりと起き上がる。
「…夢、か」久々に夢を見たかと思ったら、昔のこと。昇進するにつれ、立場に比例して陰口も増えた。今は何と言われているのだか。いつだったか、小判という猫又が言っていた。『民衆は皆鬼灯様が好きでさぁ』なんて、なんて―馬鹿馬鹿しい。
「………」嗚呼、うるさい。頭の中の記憶の声がうるさくて仕方無い。皆皆、嘘つきだ。
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