マイルドヤンキーの愛し方

□私の好きな笑顔
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朋生が渚のこと好きだってことはとっくの前から知っていた


知っていても、好きになってしまうのはなんでなんだろう


嬉しそうにカンナちゃんの話する朋生が可愛くて、
そうだね、ってうなずいてあげると
それでそれで!ってもっと熱くカンナちゃんのことを語りだす


カンナちゃんのことなんて一通り聞いたけど、
それでも聞いてあげるのは朋生と少しでも一緒にいたいから


「朋生となつみだ!」


可愛らしい声、渚だ

さっきまでカンナちゃんの話をしていたのに渚がきたらやめてしまった

少ししてから龍二もやってきた


「龍二だぁ」

「なんだよ」


珍しく私に笑ってくれた


「久しぶりに見たかも、引きこもってるの?」

「違ぇーよ」


龍二と話していたら自然とそうなるのは仕方がないのだけど、
朋生と渚が笑い合っているのを見て落ち込んだ


「…なつみも変わんねぇーな」

「変われないだけだよ」

「俺は当たって砕けた」

「そんなこと私には出来ないよ」

「"可能性は無限大"なんだろ?」

「…龍二、尚弥みたい」

「悪くないだろ?」


龍二の言葉を聞きながら朋生たちを眺める
視界の端で龍二が動き私の頭に手を置いた


「頑張れよ」


龍二の言葉は励みになる

見てよ、あの朋生の笑顔
渚にしか出せない笑顔だな…

頑張るのはもう少し先にしよう
そうやって私は上手く逃げるんだ



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