マイルドヤンキーの愛し方

□スキも重なり
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放課後、家に帰り水蘭の制服を脱ぎ捨てTシャツに手を伸ばした
そこに着信音が流れ携帯を手に取り、電話に出る


「はい」

『なつみ、公園来て』


突然そう言われ誰かと思い携帯を耳から放し相手を確認する


「龍二?」

『うん』

「あー、20分くらい待って」

『あぁ』

「じゃあ、あとで」


電話を切り、出していたTシャツを片付けワンピースを着ることにした
軽く髪を整え、おかしくないか鏡の前で確認する

気づけばあと10分ほどしかなく急いで携帯を引っつかみ公園を目指した
公園の入り口に着き、時間を確認する
あと数分あり、ほっとする
公園内に入りブランコの柵に腰掛けているカス高の学ランを着た見慣れた後ろ姿がいた


「龍二!待たせてごめんね」

「いや、大丈夫。急に呼び出して悪い」


向かい合わせになるようにブランコに座りながら大丈夫だよ、と言う


「それより、どうしたの?」

「………あぁ」


よくわからないままブランコを前後に揺らす
それから少しの間私たちは向き合ったまま何も話さなかった


「なつみ」


ブランコを漕ぐのをやめ、龍二を見る


「お前の隣にいたい」

「へ?どうぞどうぞ」


隣のブランコを見る


「違ぇよ」


それを聞き龍二を見ようと振り向くと何かが唇に触れた
それはすぐに離れた
何が起こったのかわからず少ししてからやっと状況が飲み込めた
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