欲しいのは君だけ

□生意気な俺様
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いつものように保健室のドアを開けようとする。
ドアは横に開けるタイプだから、横に開けようとした時、
保健室の中から甘い声が聞こえてきた。


「…あっ!…んぁ、気持ちいいよぉ〜……」


待て待て待て、
今は授業中のはず。

って不良校だからサボる人達を見るのも珍しくはないが、
普通保健室でエッチする?


中に入れないじゃない…


あ、あたし仮にも教師だから注意しないといけないのか!
……………どうしよう…


「あ、なつみちゃ〜ん!」


運がいいのか悪いのか、今、登校したであろう生徒があたしに気付く。
まだ、23歳ということもあり、生徒達には先生と認識されてなく、
友達みたいに「なつみちゃん」と呼ばれている。
皆にそう呼ばれるからもういいやと思い好きに呼ばせている。


「えっ!あっ!ど、どうしたの?!」

「いや、なつみちゃんこそどうしたの?開けないの?」


うん、開けたいの。
だけど、中でエッチしてるみたい。


なんて言える訳なくて…。


「あ、いや、開けようとした時に職員室に忘れ物したの思い出しちゃって…」


咄嗟に嘘をついた。


「じゃあ俺、中で待ってるよー」

「っ!ほ、ほら!授業出なよ!」


だめだよ!やばいよ!
中ではエッチしてるんだから!


…なんでこんなにエッチ中の人達に気を遣っているんだろう。


「えー、授業なんて授業じゃねぇよー」


確かにそうだろうけども。


「休み時間に来てよ。休み時間なら大歓迎だよ?」


とりあえず、この場を離れさせたかった。


「…んーじゃあ、仕方ないからまたあとで来る」



よ、良かったー!!


その生徒は教室へと向かっていった。



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