欲しいのは君だけ

□くすぐられた心
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古典の授業
ひげを生やしたおっさんが授業を進める


「教科書47ページを開いて書き下し文を─……」


真面目に授業を受ける
それは当り前なのだけど、さすが不良校
皆、好き勝手にいろいろやっている
よく分からないけど自分の席からは離れないらしい

あたしは適当にその時の気分で真面目にやったりやらなかったり
今は真面目にやりたい気分


「教科書見して〜」

「………」

「えっ!無視?!俺、傷つくな〜」

「………」

「なつみチャン、いい乳〜」


フルシカトを決め込んでいたが隣から奴の手があたしの胸に伸びてくる
シャーペンを置き伸びてくる手を叩く


「あんたねぇ、油断も隙もないんだから」

「ちぇっ」


授業中にまでちょっかいを出してくる
こんのクソ変態有り得ない…

つまんねェの〜、と不貞腐れている
置いていたシャーペンを手に取りさっきの続きを書き始める
傑がぐっと椅子ごと近づいてきたけど無視してやるべきことをやっていた


「真面目ななつみも可愛い〜」


……相変わらずちゃらっ
無視無視!


「相手してよ〜」


なに、今日はしつこいな…


突然太腿になにかが這うような感覚がした
びっくりしてなんだ、と見てみると傑の手が這っていた


「な!何考えてんの?!」

「しーっ」


もう片方の手の人差し指を口にあて静かにしろ、という

いやいや、こんな時間にこんな所で
誰相手にこんなことしてんのよ!
こればかりは本当に呆れた
席を立ってどこか行こうと思い腰を浮かせようとすると傑の手が下部を撫でていた


「…っ!」


声が出そうになり左手で口を覆う
全身の力が抜け椅子に深く座り身体を預ける
持っていたシャーペンがノートの上に転がった
右手は力が入らず机の上に放り出されている


(感じちゃった?)


クス、と笑い小声で問いかけてくる
傑の手は止まらず一番敏感な処を攻めてくる


(もう濡れてるよ〜)

(や、めてよ!)




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