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□君を想うと
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朝から降り続けている雨が色とりどりの傘の上に降り注いでいく
池袋は雨だというのに人で溢れかえって、道行く人々は雨を恨めしそうに見ている
ザー…
こんな雨の中、俺は傘もささずに公園のベンチで座り込んでいた
雨のおかげで、公園には人はいなくて安心する
「嫌いだよ シズちゃんなんか…」
俯いて、何も見ないようにする
昨日のことを思い出さないように
目を瞑って
泣かないように
目を瞑って
だけど…、そんな事できなくて
思い出さないように、泣かないように目を瞑っても
思い出してしまうものは思い出してしまうし、泣きたくなくても感情がこみ上げてくる
目を瞑れば思い出してしまうのは昨日のあの光景
シズちゃんが女の子を抱き締めてる所を…
「うぅ…い、やだ…よぉ」