貴方への想いを。
□確かめる想い。
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自分一人のラボの中。
確かに最初よりも心は軽くなっていた。
ついさっきまでいた隊長は、もうラボには居ない。
俺は静かに目を閉じると、さっきまでの会話を思い返していた。
隊長に、引き籠った理由を話したら
「そんなんで忘れられるなら、クルルの想いはその程度だったって事でありますよ。」
なんて言われてしまった。
それから直ぐに笑って、俺の頭を撫でてきた隊長はこう言った。
「だから!今でもクルルは忘れらんないんデショ?っつー事はさ…」
本気だって事でありますよ!
そう言いながら、たまに見せる大人びた顔で隊長は笑う。
それはもう酷く嬉しそうに。
そんな隊長を見て、無理矢理忘れようなんて思っていた自分に腹が立ったと同時に、忘れられなくて本当に良かったと思った。
そして満足したらしい隊長がラボを出ていく時、「あ」と呟いて足を止め、俺に振り向いた。
「ギロロも気にしてるみたいヨ?」
「いろいろとネ」と続けた隊長が、ラボを出ていくその瞬間に、隊長から「頑張れ」と聞こえた気がした。
俺はゆっくりと目を開けると、黒くなっていたモニターのスイッチを入れる。
モニター越しの空の向こうには、微かに太陽の光が見え初めていた。
日が地を照らし、先輩の目が覚めるまで…あともう少し。