貴方への想いを。
□確かめる想い。
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「…やっぱ何かあったんだ?」
「……。」
何も言えない俺に、隊長が深く溜め息をついた。
ギロロ先輩との喧嘩…つーか何と言うか…まぁアレから俺は、ラボに籠ったままだった。
だって、次こそ先輩に拒絶でもされたら、俺はもう立ち直れない。
だからせめて次会うときには、前みたいに笑っていられるようになれるまで…この想いが冷めるまでは、先輩には会いたくなかった。考えていたくなかった。
それなのに
この隊長ときたら、まだ日が昇らない内からラボに押し掛け、俺を確認するや否や先輩についての質問攻めをしてきやがった。
…まぁそう言う俺もまだ先輩が気になって、監視し続けてるけれど。
隊長はまだ、ラボを出ていく気はないらしい。
多分俺から全てを聞き出すまで帰らないつもりだろう。
「……。」
まだ黙り続ける俺に、隊長は小さく笑う。
「…本当は、ただ喧嘩したってだけじゃないんでありましょ?」
まるで全てを知っているように言う隊長。
でも少し探るような言葉。
…流石は隊長…もう全部お見通しってか。
「…やっぱ隊長には隠し事なんか出来やしねェなァ…。」
先に折れた俺は、ずっとモニターに向けていた顔を体ごと隊長へ向ける。
振り向いた俺に隊長がニヤリと笑う。
「あったりまえデショ?いつからチミ達の隊長やってると思ってンの?」
ゲロゲロと笑ういつもと変わらない隊長に、ふと笑いが込み上げる。
少しは苦しさも紛れたのかもしれない。
「…あんがとな…隊長…。」
「…ゲロゲロリ!」
やっぱ俺は先輩が好きだよ。