貴方への想いを。
□気になる存在。
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まさか幼馴染みの言ったことが、本当におきるとは思わなかった。
あれから一週間。一度もクルルが姿を現さない。
俺だけを避けているのかと思えば、ケロロ達も見ていないと言う。
そして今日も、あの日のケロロの言葉が頭を埋める。
『ギロロはもうちょっと、言葉のずっと奥を考えた方が良いであります。』
『クルルがひねくれてるのは、今に始まった事じゃないって事でありますよ。』
『ギロロもきっと、本当の声が聴こえてるはずであります。』
ケロロの言う「本当の声」とは何の事なのだろうか。
そもそも、ケロロやドロロまでもが、何故そこまでクルルにこだわるのだろうか。
解らない事は山ほどあるが、今はクルルが引きこもった原因を優先する事にした。
どっちにしろ、クルルが関わっている事は確かだ。
そうして、また一から思い出していると、ふとケロロの言葉を思い出す。
そういえばアイツは、俺のせいだと言っていたな…。
俺は、引きこもる原因となるものを思い出してみるが、どうも当てはまるものが見当たらない。
寧ろ、思い付くほとんどが、逆に俺が落ち込みそうな嫌がらせの数々。
アイツの記憶は嫌がらせしかないのか…!
思い出しながらイライラしていると、「そういえば…」と、まだ新しい方のとある記憶を思い出す。
その日は、起きたら目の前にクルルが寝ていて、驚いたじゃ済まないくらいの衝撃だった。
その直ぐ後にクルルは起きて、一瞬焦ったような表情をした後、急いで出ていった。
そういえば、あの日からだろうか。クルルの様子がおかしくなったのは。
ただ「好き」と伝えてきたクルル。
下手をすれば、もっと酷くなっていたであろう。一週間前の嫌がらせ。
そして今回のラボへの引きこもり。
確かに全て、俺が関わっていないこともない。
やはりケロロの言う通り、俺が原因なのだろうか?
確かにこの前は大人気無かった…それが原因なのか…?
俺はまた「ドロロに気付かれた時にでも、本人に確かめに行けばよかった」と、頭を抱える。
とにかく悩んでいても仕方がない。
俺は近々ラボへ行くことを決めると、放置していた焚き火の処理に取りかかった。