短編置き場

□遊び
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「えー・・・、ここでa3+b3=(a+b)(a2−ab+b2)という公式を・・・・」



(あークソつまんねー)



「・・・であることから、この式の解は・・・」



(早く終わんないかなー)



今は数学の授業。

ここの塾は頭が良い順にクラス分けされていて、
頭のいい方から、S、A、B、となっている。


俺は当然一番下のB。


だから授業も簡単だし、わかりやすく丁寧に先生は説明してる・・・・・、はずなんだけど、
俺にはやっぱりなんにもわからない。











「次の授業の科学は、服部先生がお休みなので、
代わりに土方先生が来られることになったからなー。
普段はSクラスを教えてる先生なんだから、失礼のないようにしろよー」


と、言い残して数学教師は教室から去っていった。



(科学・・・・、もわかんねーな。寝よ寝よ)

先生が変わったってとくになにも影響はない。




普段と変わらず突っ伏して寝ようとした時、その先生は入ってきた。


「服部先生の代わりに今日このクラスの科学を教える、土方だ。よろしく」

Sクラスを教えているというので、少し興味が湧いたんだ。
チラリ、と前を向いてみると、


「えっ・・・」


俺は驚いた。

もっとカタブツでぶ厚ーいメガネかけたおっさんだと思っていたら、
そこにいたのは。

(ちょ・・・、え・・・)


顔立ちの整った、まだとても若い先生だった。

自分の想像とのギャップがありすぎたので、俺は驚いて目が離せなくなってしまった。






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