短編置き場

□君のそばで。【裏】
1ページ/7ページ










『・・・・・もういい。お前、クビだ!』


「え・・・・・・」


電話越しの声は、そう言った。


「本当、ですか・・・・・?」

『本当だ!もうお前会社こなくていいから!!』

「う、そ・・・・・・」


ぶちっと、そこで電話は切れた。


「・・・・・・」


土方は、自分の手にある暗い画面の携帯を呆然と見つめた。

土方はまだ明るい昼間の公園んに一人立っていた。
平日の真昼間の公園には、人気は少なかった。




土方は今日、大事な接客でミスを犯してしまった。
会社にとってとても利益のある件で、その意向は自分にまかされていた。

その件で土方はミスをしてしまい、土方のせいで会社に大きな損害を負わせてしまった。

その責任は重大で、上司からこっぴどく叱られ、挙句の果てにはクビだと宣告された。

「どうすんだ俺・・・・・・」

突然のクビ宣告に、どうしたらいいものかわからない土方に、声がかけられた。



「どうしたの?」



その声のほうをむくと、公園のベンチに一人座っている男がいた。

その男は白髪で、けだるそうにしており、着ているスーツは少し乱れていた。



「困ってるみたいじゃん?手ぇかしてあげようか?」


「なんだお前・・・・・」

「俺?んーとね、俺は坂田銀時っていうんだ」


へらへらと笑っている坂田という男は、いかにも胡散臭そうに見える。


「あのね、俺、こう見えても小さな会社経営してる社長なの」


冗談を言っているようにしか聞こえない。




「どう?うちで働かない?給料ははずむよ」



「・・・・・・・・」









next→
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ