短編置き場
□その暖かさに
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とある晴れた日。
万事屋にいた銀時は一人、寂しそうな顔をして、携帯を見つめていた。
ソファに一人座る銀時。
リビングには子どもたちの姿は見えず、銀時のため息だけが聞こえていた。
「・・・・・いつになったら帰ってくんだよ・・・」
今日は恋人・坂本辰馬が半年ぶりに地球に戻ってくる日。
昨日、ポストに送り主の名前が書かれていない手紙が入っていて、
なんだ?と思いつつ、首をかしげて開いてみると、
『明日の朝に地球に帰ります。首長くしてまっててください、金時君』
と、書いてある手紙が一枚。
「・・・・辰馬・・・!!」
普段の口調からは想像できないような丁寧な口調と、美しい字。
しかし、『金時』と書いてあることから、送り主は必然。
前に辰馬が地球に来たのは半年前。
仕事でちょっと寄っただけだったから、数時間しか一緒にいれなかった。
少し話をして、一緒に甘味食べて、気がついたらもう辰馬はいなかった。
あまりにも短すぎて、夢じゃないかって思うくらいだった。
でも、辰馬が来たのは事実で。
その事実を感じてしまうと、更に寂しくなってしまう。
だから俺は、辰馬からもらった沢山の甘味を神楽と新八に全部あげてしまった。
そして昨日。
手紙を開いて見えた『金時』の文字に、心が跳ねたのがわかった。
(辰馬にやっと会える・・・!)
ウキウキしすぎて、昨日はあまり寝れなかった。
そして今朝は普段の俺からはありえないような、
5時なんて時間にに起きてしまった。
だから
いつもより念入りに歯を磨き、服はアイロンをかけた綺麗なものを着、シャワーも浴びて、入念に顔を洗い、準備万端で待っていた。
しかし。
今の時刻は午後3時。
「いつになったら来んだよ・・・・・」
朝からその言葉を飽きるほど吐いていた。
早く逢いたい。
早く来いよ。
逢いたいんだって。
辰馬・・・・・
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