君を、愛する

□1.君との恋を、
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危ないところだった。


バジリスクの様子を見に行こうと、例の女子トイレに入った。
慎重で疑い深い性質の僕はもちろん周囲の確認を怠らなかったし実際に周りには誰も居なかったはずだ。
(もし、秘密の部屋の入口が女子トイレなんかになければ…。
 確かに見つかりにくい場所ではあるが…!と、何度サラザールを恨んだか。)


(「それなのに…なんでだ…!」)


何故か、僕は女子トイレの用具入れに息を押し殺して隠れている。
そして、ドアの隙間からじっと“そいつ”を伺った。
青いネクタイ…レイブンクローの生徒だ。


(「たしか…**・***…」)


密かに男子生徒からの人気が厚い、僕と同い年の女子生徒だ。
華々しい美しさとはまた違う、静かな美貌の持ち主だと有名だった。

**・***はくるりと周りを伺って、
自嘲するようにくっと肩を竦めて帰って行った。


(「…ごまかせたか?」)


と、安堵の息をついたが……、女の噂を甘く見てはいけないだろう。
これは、早々に手を打たなくちゃいけない。
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