めいん
□縁る2人
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いつも通りの帰宅途中。
帰り道には、見慣れない鮮やかな色の大きな車。
車体には“クレープ”の文字。
へぇ、こんなところにもクレープ屋さんは来るのか、なんて考えながら見ていると、隣から『買うの?』と声がした。
隣を見ると幼なじみの彼がいた。
どうやら、さっきの声の持ち主は彼らしい。
もう、当たり前のことだったから特に意識もしていなかった。
「買わないよ、太るでしょ?」
『そういうもの?』
返事をするのに変な間があいて申し訳ないと思ってたけど、前言撤回。
あんたは痩せてるから、乙女心が分からないのよ。
なんか、ムカつく。
「それに、高くない?」
『祭りの屋台の方が高いと思うけど…なんなら、貸そうか?』
こいつ、本当に私の言うこと聞いてたのかな?
値段の問題じゃないのよ…
「いや、本当に欲しいわけじゃないからさ」