僕用犬ーSheepDogー
□ある晴れた日のこと
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「本当だって!羊が!」
「大丈夫か?遼。」
「大丈夫だよ。本当に羊が…」
「遼くーん、それありえないってことに気付かない?」
「いや、佐々木、本当なんだって。」
「で?その後どうなったんだよ。」
「ん、ああ、その後…」
羊…意外と早いんだな…
春の暖かさで穏やかになっていたおれはゆるやかにその事実を受け止めました。
羊が近くに来るのを待っててあげたくらいでした。もはや無心に近かったでしょう。
そして羊とおれがぶつかりそうになったとき
「あ、クローバー!」
という声がして羊は方向を変えてまた走って行きました。