『愛』

□不意打ち
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『くうしゅけぇーv』

ぎゅぅぅぅぅぅぅぅぅうっ


「何?」


抱きついたのに平然と返事をする空介。


『しゅきーv』


「あっそ」


『つめたーい』


「ふん」


いつものように冷たい空介。


うむ、今日も異常なーし。


『ねーねー』


「何」


『ちゅーしよー』


「やだ」



『ぇえっ なんで!? 』


「やだから やだ」


『えー・・・』


冷たい・・・・


まぁ、現時点、二人っきりと呼べない

空間なんだよね。円堂くんとかいるし。

しゃーないか。



『じゃぁ今日一緒に帰ろ?』


「なんで?」


『帰りたいから』


「別にいいけど」



『ほんと!?』



「だって帰らないとうるさいじゃん」


『うう・・』


「・・・・じゃ、僕練習するから」


そう言って、グラウンドに走っていく。

その背中を見つめる私。


『はぁ・・・・素敵・・・』


どんなに冷たくされても別れたいとも

思わない私は よっぽど空介のことが

好きなんだな・・とつくづく思う。


『んー・・・イスにでも座るか』


そこらへんにあったベンチに腰掛ける。


『・・・・・・』


ぼーっと見つめてること数分


なんか眠くなってきた私は

ゆっくりと目を閉じた。



















「・・・・・い・・・」


ん?


「・・・え・・・・・きて」



何?




「お・・・・き・・て」



え?




「起きて!」




この声・・・・・・・・





「起きてってば!!!」



『・・・んー・・・・』


「はぁ・・・やっと起きた」


『え・・?』



「こんなとこで寝るとか寒くないの?」



『・・・・・あっ!!』


いつの間に寝ちゃったんだろ・・・私・・


「ったく・・・早く帰る準備してよね」


『うっ、うん!ちょっと待ってて!』


うあー!!愛しの空介を待たせるなんて

バカか自分バカか! と思いながら

急いで支度する。



『おまたせしました!!!』


敬礼!



「じゃぁ帰るよ」


『イエッサー!』


そうして、グラウンドを後にした私たち。
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