人魚恋捕物帳

□其の四
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次の日



「聞いたぞイタク!!」



「ああ?」



翌日飲んだ酒がまだ残る中テンションの高い淡島を睨みながらイタクは不機嫌そうにしていた



「ああ?じゃねーよ!香撫だよ香撫!」



「香撫がなんだよ」



「夫婦になったんだろ!?一番に俺に言えよな!」



「待て何で知ってんだ」



昨日何もかもすっ飛ばして夫婦になったはいいがまず赤河童に報告をしようと思い先ほどしてきたのだがまだ他の誰にも言ってないのに何故淡島が知っているんだろうか



「天馬に聞いた」



「あいつ殺す」



「落ち着けイタク!!」



言うなと言ったにも関わらず天馬は淡島に伝えた、それがイタクの逆鱗に触れたのだ



「淡島、お前他に誰に言った?」



「里の皆に」



「・・・」



固まってしまったイタクに淡島はどうしようとあわあわしている淡島を笑いながら出てきた人物は淡島にとって救世主に見えた



『まぁまぁイタク、そう怒るなよじきバレル事なんだから』



「そうそう」



「・・・」



未だに不機嫌なイタクだが後は香撫に任せようと思い淡島はその場を後にしていつものメンバーの元に向かった



「まさかイタクがねー」



「ケホケホ、以外よね」



「しかも俺らん中で一番最初だしな」



「てか皆イタクの片思い知ってんなら教えてくれよ!」



「いやまさか気づいてないとは思わなくてさ〜」



「でも片思いじゃないのよ?」



え?と淡島と同じように驚く一同とニコニコ笑う冷羅



「結果そうなったんだからもういいかな?実は香撫もイタクに片思いしてたのよ、イタクと違って分かりにくいから皆知らなかっただけよ」



「なら何で冷羅は知ってんだよ?」



「さ〜何でかな?」



ふふっと笑う冷羅に首を傾げる一同天馬同様勘が鋭いというかなんと言うか淡島は苦笑いを浮かべながらイタクと香撫を見た



(なんだかんだ言ってお似合いなんだけどな)



「あわちま〜」



「おお華々!どうした?」



あの一件以来華々は淡島に懐いていた里の中じゃ一番懐いてるとも言える、淡島は華々を抱き上げた



「ねーちゃん」



「香撫?ああ、寂しいのかお前」



「う〜」



そう華々はいつも香撫の側にいた本当の姉のように懐いていたのだからイタクと夫婦になるのは寂しいが同時に嬉しい今そんな感情を華々は抱いているのだろう。



「大丈夫だ!香撫がイタクのになって寂しいなら俺が華々の側にいてやる、約束だ」



「ほんと?」



「おお!任せろ!!」



そんな淡島にさっきまで落ち込んでいた華々の表情が明るくなる嬉しそうに淡島に抱きついた



「かかあわちまのおよめさんなる!!」



「マジか(笑)」



「お、次は淡島か?」



「あらあら楽しみね」



「任せろ!!」



幸せいっぱいの里を眺めて複雑な思いをしている男がここに居た、木の枝に座り腕を組んでいた



「よかった、色々心配したんだから幸せになってもらわないと困りますよ?」



天馬は香撫とイタクを見て小さく微笑んだしゃらりと鳴った腕にある鎖を見て苦笑いを浮かべた



「もう大丈夫、貴方も僕も向き合わないとね香撫のように」



(余計な世話だ)



それはまた別の話、二人の天馬の過去の話



 
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