人魚恋捕物帳
□其の壱
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「構わないが、どうした急に」
赤河童は香撫の申し出に目を丸くし首を傾げた、香撫はバツが悪そうに顔を顰めると天馬が明るい口調で声を上げた
「香撫アホだから雷爪盗まれちゃったんぐぶっ!?」
天馬がいい笑顔で言うと香撫の飛び蹴りが飛んできた顔面にクリーンヒットしたそれに天馬は苦しそうに顔を押さえてしゃがみ込みプルプルと肩を揺らしていた。
「いきなり酷いじゃないですか!!」
『お前が余計な事言うからだ』
「事実じゃないですか!!」
「お前雷爪盗られたのか?」
「あの、雷爪とは」
イタクは赤河童の手前慣れない敬語を使いながら赤河童に尋ねた赤河童はふむと声を出した後イタクに説明を始めた
「雷爪とは神獣雷龍の爪で作られた刀だそれは雷を呼び嵐を起こす一振りで国一つ潰しかねない宝刀だ」
「そんな大事な物を・・・」
「盗まれたんですよ馬鹿でげふっ!!」
今度は右ストレートを食らい倒れこむ天馬を見て赤河童は哀れと呟くも一つ思い出したように言った
「雷爪を取り返すのと遠野に住むのは無関係だろ」
『それがあんだよ』
なんでも雷爪を盗んだ犯人は東北に潜伏してると情報を得た香撫達は遠野に住み情報を集め居場所を突き止める策に出るようだ
『しらみつぶしに探すのは面倒だし何より広すぎる情報もまだまだ少ないしな。』
「なるほどな、力は貸そう国が滅ぶのは望ましくないからな」
『感謝する』
「イタク力を貸してやれ」
「はっ!」
こうして雷爪探しが始まった