短編

□魔法の手 / taemin
1ページ/1ページ




イタイ・・・うぅ・・・




毎月のように私は、生理痛に悩まされる・・・




うぅ・・・




家に着くなり、ベッドに倒れこみうずくまるお決まりのコース




うぅ・・・ぅ・・・Zzzz・・・





はっ!!どうやら眠っていたみたい・・・
ふと気付くと  ん?・・・
お腹と腰のあたりが、やたらと温かくて心地いい・・・



そして甘い香り  うふぁぁ〜



って?・・・あれっ?



そっとお腹に手をやると・・・
私を後ろから抱き締めるように包みこみ
お腹にそっと温めるように置かれている華奢で、でも骨っぽい手




テミナだ・・・私を包みながらスヤスヤと寝ているみたい




ヌナ「テミナ?」




テミナ「うぅ・・・ん・・・う? あっ!ヌナ目が覚めた?帰ってきたら、苦しそうにおなか抱えて寝てるから・・・ボク心配で・・・・」




テミナ「ヌナもう大丈夫なの?」って言いながら私のお腹のあたりをナデナデする。




男のテミナにはこの痛みとか、ホント分からないはずなのに・・・
一生懸命私の身体を心配してくれているそんなこの天使君に
触られているだけで・・・ホント痛みなんかどこかへ行ってしまったようで。
時々特殊な能力を持ってるんじゃないかと錯覚をする。



ヌナ「もう大丈夫だよ・・・嬉しいありがとう////」




テミナ「大切な人の、辛そうな顔を見るのがイヤなんだ・・・ボク女の子じゃないからヌナの痛み分かってあげれないけどボクの出来る何かでヌナが少しでも楽になれるなら・・・ボク、いつだって、なんだってするよ?」




ヌナ「いつだって? ふふふホントかな?忙しいのにできるの?ふふっ」




テミナ「・・・ヌナの意地悪・・・でもぼくにできる精一杯の事はしたい・・・させてよ
    一人で苦しまないでよ・・・必要な時は言ってよ!!」




強がりな私が・・・いつも何かと一人で我慢しようとしていることに気づいてる君は
感受性豊かだから、そういうところは人より察知するのが早いらしい




ヌナ「ありがとう・・・うん・・・じゃぁ今日はお言葉に甘えてずっとテミナの魔法の手に守ってもらうかな? うふふ」




テミナ「そんなの簡単だよ・・・!」




って言いながら私のお腹の上に両手を覆うようにおき
私もその手に自分の手を絡ませて同じ体温を感じる・・・




テミナ「おやすみ・・・ヌナ」




ヌナ「テミナ・・・・ありがとう、おやすみぃ」




私は後ろを振り返り、あなたの唇が重なるのを待ち目を閉じる
ちゅっ・・・  あなたの何よりも即効性のあるお薬の効果は絶大で
安心して夢の中へ入れる・・・




テミナはというと・・・このままヌナを抱きしめ
自分の理性を飛ばさないか不安なまま、自分との戦いへと挑む準備を心にして
こんな日は仕方がない・・・と今月も我慢を決意するのでしたw




この我慢のあとの・・・を考えながら  ふふふ・・・ヌナ覚悟しておいてよね・・・と心の中で呟いた。




そんなことともつゆ知らず・・・
私はというと、テミナのまるで魔法の手に包まれながら、朝までぐっすりと眠るのでした。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ