anniversary☆book

□恋は突然に
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※そこまでエロくないけどキスしてます。アニメの文化祭の段と花摘の段の内容を少〜しだけ含みます。










噂には聞いていた。


一年は組の山田先生と互角に渡り合えるほどの腕前だとか、いろんな暗器を使いこなすだとか。


しかし、自分には関係ないと思っていた。常にトラブルに巻き込まれる一年は組ならまだしも、自分には接点など全くない。むしろ、関わり合うことなどあるわけない、そう思っていたのに。








「危ない!」



とある任務で、追っ手を撒けずに戦うしかなくて。しかし、一人で捌ける人数でもなくて……。斬りかかる忍刀を交わしきれず、半ば死を覚悟したその時。


ガキンッ


意図も簡単に忍刀を弾き飛ばしたのは、自分の得意武器にも似ている暗器・流星錘だった。次々に敵を凪ぎ払うそれに目を奪われ、気づいたときには追っ手が撤退した後で…………。


「……大丈夫か?」



自分より幾分か背の高いその男は私の顔を覗き込み、頬に散った帰り血をその手で拭ってくれた。



「………………貴方は、ドクササコの…………?」


きり丸たちが言っていた特徴とピッタリで、絶対にそうだと確信した。しかし、その男は問いに答えることなくフッと小さく笑い、私の頭をポンポンと撫でている。




「……………………無事で、良かった。」



耳元で呟かれた言葉に驚き顔を上げれば、すでに目の前からその姿は消えていた。





何故、助けてくれたのだろう。噂で聞いていたとおり、とんでもなく強かった。でも、とても非情な男には見えなかった。




「………………………………。」




顔が熱い。動機が激しい。あの人の事を思うと胸が苦しい。




「………………………………どうしよう……。」





絶対にあり得ない男に




私は、恋に落ちた。










 
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