NOVEL
□さん
1ページ/1ページ
前回のあらすじ
変態やショタコンに揉みくちゃにされるちびっ子長次!!そこへ颯爽と助けに現れたのは、タソガレドキ忍組頭・雑渡昆奈門だった。
「曲者の分際で、長次に気安く触れるな!長次、こっちにおいで。」
雑渡を睨みつけながら、仙蔵が長次に手を差し出す。
「やだっ!!」
「ちょ、長次!?」
ぷいっとそっぽを向く長次に仙蔵は愕然とした。
「我が儘言うんじゃありません!!ほら、いい子だから…。」
「やーーーーーっ!!」
無理矢理引っ張ろうとする仙蔵の手を、ぺちぺちと長次が叩く。
「くっ!!何て可愛い攻撃なんだ………っ!!」
「………てか、長次の様子おかしくね?」
モエモエしてる仙蔵をよそに、留三郎が長次を見つめながら呟いた。
「…………そう言われてみれば。というか、長次さらに縮んでないか?」
文次郎の言葉に皆の視線が長次へと注がれた。
「………………た、たしかに……。一回り小さくなったような………。」
「長次の仕種も、なんだか幼児みたいだな………。」
まさか……………。
皆、同じことに思い当たったのだが、誰も言葉にしなかった。
この予想が当たっているのなら、事態は悪い方へ転がっているということだ。
「長次くん、自分の名前と歳、言えるかな?」
「?………なかざいけちょーじ、3しゃい。」
「え?サンシャイン?」
「んーん、さんさい!」
「ああ、山菜?」
「違ぇーよ!!三歳だよ!!今度はさらに思考まで幼児化してるじゃねぇかーーっ!!」
現実逃避してトンチンカンな答えを返す仙蔵と留三郎に文次郎がツッこんだ。
「おじちゃんたち、だあれ?」
雑渡と文次郎を交互に見て、長次が首を傾げる。
「おっ、おじっ!!?長次、俺達のこと、忘れちまったのか!?」
おじちゃんと言われ、文次郎はショックを受けた。さらに自分達のことを忘れられてるときた。
「長次くん……。私は、長次くんの夫になる男だよ?」
「何言ってんのお前ぇええええええっ!!!!?」
長次の頬を撫でながら、雑渡が爆弾を放つ。
「君達、源氏物語ってしらないの?幼い女の子を自分好みに育て上げ、伴侶にする。名付けて、紫の上計画!!」
「馬鹿じゃねえの?」
いい歳こいたオッサンが何言ってんだ……と文次郎は雑渡に冷めた視線を投げた。
「うぅう……。いたたたた。」
それまで床でノビていた伊作がやっと意識を取り戻し、雑渡の腕の中にいる長次に目をやる。
「長次………?何、食べてるの?」
伊作は、皆が気にも留めなかったところに目が行った。
「そこに置いてあった飴玉をあげたけど?」
雑渡が棚を指差した、その先にあったのは………
薬草屋の主人に貰った怪しい飴玉が入った小瓶だった。
「っバカーーーーーーッ!!!!!」
伊作の絶叫に皆が驚いて目を剥く。
伊作は頭を抱えた。新野先生とあの飴玉の成分を調べてる最中だが、間違いなく長次が幼児化した原因だ。
何故、同じ飴を舐めた自分と小平太は無事なのかは、まだ解らないけれど。
「長次!!そんなものペッてしなさい!ほら、ペッ!」
「んやぁーーーーっ!!」
「やーじゃないの!ほら、こっちの大きな飴をあげるから、ね?」
「っ!!」
伊作が差し出したペロペロキャンディ的な物に、長次は目を輝かせた。
「ほーら、欲しかったらペッてして?」
「あい!!」
元気良く返事をした長次がペッと飴玉を吐き出した。
「長次の飴ゲットォオオオオッ!!!」
ズシャァアアアアッとスライディングして長次の飴をキャッチした仙蔵はドヤ顔でガッツポーズした。
「やっぱりね!!来ると思ったよ!てか、お前謝れ!全国の仙蔵ファンに全力で土下座しろ!!」
「そうだぞ仙蔵!その飴、半分俺にくれ!!」
「てめぇもだーーーっ!!あんな小さい子にまで発情するなんて、この節操無し!!」
「違う!!長次だから発情するんだ!長次が相手なら、乳飲み子でも老人でもイケる!!」
「おまっ!?キモいわぁああああああっ!!!」
変態2人に挟まれて、伊作は頭が痛くなった。
あぁ、長次がもとに戻るまで変態共から守りきらねば………。そう思い、視線を長次に向けると…………
「…………えっ!?長次がいない!!?」
いつの間にか、雑渡と長次の姿が消え、代わりに紙切れが一枚落ちていた。
『しばらく長次くんをお預かりします。雑渡昆奈門より』
「……………………………、ちょ、長次が誘拐されたーーーーっ!!!」
〜END〜
長次が3歳児になりました。
続きます(^∀^)ノ