NOVEL
□に
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昼休み。
長次は既にクタクタだった。は組のよい子たちはホントに良い子たちだった。自分を受け入れてくれたし、親切にしてくれた。
しかし、誰が長次の隣に座るかで一悶着起こり、授業は潰れるは、揉みくちゃにされるはでさんざんだった。
15の身体では耐えれた事が、やはり5歳児の身体ではキツイみたいだ。
取り合えず横になりたいと思い、保健室まで来たのだが……。
ガラッ
「いさく……すこし、やすませてくr「長次ぃいいいいいっ!!!!」………っぎにゃああああああっ!!!!」
突然抱きしめられて、長次は奇声を上げた。スリスリスリと頬が摩擦で焼けるのではと不安になる程、ほお擦りされる。
「ちっさい長次、萌えーーーっ!!!」
「は、はなせっ!!!せんぞ………!!」
ギュウギュウと抱きしめられて長次は窒息しかけた。もうだめだ……と諦めかけたその時。
ゴッ!!
まるで鈍器で頭をかち割ったような音が鳴り響き、直後、仙蔵が崩れ落ちた。
「仙蔵………、いい加減にしないと怒るよ。」
怒るどころか、制裁まで加えた伊作が、そこに立っていた。
伊作の後ろに留三郎がいるのだが、俯いて顔を押さえている。
具合が悪いのかと思い近づいてみると……
ブッシャァアアア!!
留三郎の鼻から鮮血が噴き出した。突然の惨劇に長次はピッキーンと凍りついた。
「ちっさい長次萌えーーーーっ!!!」
「てめぇもか!!!このショタコンがぁああああっ!!!」
伊作のアッパーが、綺麗に留三郎の顎を打ち上げた。鼻血を撒き散らしながら吹っ飛んでいく留三郎を、長次はポッカーンと見送った。
「チッ………変態共が…………。さて、長次。どうかしたの?身体に異変でも起きたの?」
何やらボソリと呟いた伊作が、長次の傍にしゃがみ込み心配そうな顔をした。
「いや……。すこし、つかれたから……やすませてほしくて………。」
「良いよ!なんなら僕が「私が添い寝してあげよう!!」
伊作の言葉を遮って、仙蔵が長次を抱き抱えた。
「えっ!?せんぞ!!?」
そのまま長次を連れ去ろうと勢いよく部屋を飛び出した仙蔵だったが、
ゴスッ!!
「ぐえっ!!!」
出た瞬間、そのままの勢いでラリアットをくらった。
反動で後ろに吹っ飛んだ仙蔵の腕から、ぽーん、と長次が放り出された。
「っ!!!」
ぎゅっと目をつむって落ちる衝撃に耐えようとした長次だったが、ふわりとキャッチされて恐る恐る目を開いた。
「大丈夫だったか?長次。」
助けてくれたのは、仙蔵にラリアットをくらわせた張本人、潮江文次郎だった。
「あ、ありがと。もんじろ。」
ぎゅっとしがみつかれた文次郎に、伊作、仙蔵、留三郎の殺気が集中した。
「文次郎!長次を離せ!!長次が汗くさくなるだろっ!!」
「そうだそうだ!!長次に菌が移る!!早く長次を返せ!!」
「うるせぇ!!ショタコンと変態に長次を渡せるかバカタレ!!」
ぎゃーぎゃー言い争いを始めた3人に、長次はまたもや揉みくちゃにされた。
「ちょっと!やめなよ、長次が……ぐあっ!!」
止めに入った伊作だったが、誰かの拳が顔面にクリーンヒットし、床に沈んだ。
「も、やめて……っ!!だ、だれかっ!!!」
長次が助けを求めたその時、ふわっと、他の誰かに抱き上げられた。
「え?」
「大丈夫?長次くん。」
「「「ああーっ!!お前は!!!」」」
長次を助けたのは、ちょくちょく忍たまたちの味方になってくれるタソガレドキ忍組頭・雑渡昆奈門。
5歳児長次を巡る争いは、どうやらプロ忍にも及んでいるようだ。
仙蔵、留三郎、文次郎と雑渡の間に火花が散った。
長次の受難は、まだまだつづく………。
〜END〜
意外に、続きを読みたいと言う方々がいらっしゃったので作っちゃいました。
しかも、まだ続くようです。
更新は未定ですが、たぶん作ります、続き。
楽しんでもらえたら嬉しいな(笑)