PICTURE BOOK
□ちゃんと好き
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雑「ねぇねぇ、こっち見てよ長次くん………。」
長「…………離せ、髪が結えないだろう。」
雑「下ろしてた方が可愛いのに。」
長「……………阿呆か。」
雑「ひどいなぁ。長次くん、私に冷たいよね………。もしかして、嫌われてる?いやいや、それは無いか……。だって、私たち恋仲だし………ブツブツ。」
長「……………………?」
雑「長次くんはさぁ、私の事、好き?」
長「…………急にどうした。」
雑「いや、ちょっと、ね…。」
(君はモテるから不安だ。なんて、そんな女々しい事言えないよ………。)
長「…………………………。」
キョロキョロ
雑「?長次くん、どうし…っ」
グイッ
ちゅっ
雑「……っち、長次…くん?」
長「………モソモソ……………。」
雑「え?ごめん、もう一回。」
長「……………、ちゃんと好きだから。」
雑「っ!!長次くん……!!」
ジーン
雑「ね、ね、長次くん!今の、もう一回やって?今度はちゃんと口に!!」
長「なっ…………ヤダ……!」
雑「そこを何とか!一生のお願い!」
長(………こんなことで一生のお願いなんて使うな、バカ。)
それでも、願いを叶えてやりたいと思うのは、やはり惚れた弱みなのだろうか。いい歳こいた大人の男なのに、たまに見せる子供みたいな独占欲や甘えが愛しい、なんて………。
長(末期…………だな。)
くるりと振り返り、目の前の恋人にしがみつく。
雑「長次くん?」
長「………するんだろ?早く、包帯ほどけ………。」
俯いて命令する長次を見下ろすと、耳まで真っ赤にして照れている。
良かった。自分は、確かにこの子に愛されてる。
すごく、すごく幸せだ。
雑「するって……。ドコまでやっていいの?」
最後まで?と耳元で囁くと、真っ赤な顔で睨まれた。涙目になって微かに震えている。
ちょっとイジメすぎたかな………。と反省していると、
長「そんなこと、いちいち聞くな……。嫌だったら、こんなことしない………。」
雑(………驚いた。まさか、長次くんから誘ってくるなんて………。)
ぎゅううっと頭を胸に押し付けてくる仕種は、この子なりの甘え方なのだろう。
ここまでされては期待に応えなくては。
雑「じゃあ、遠慮なく。いただきます。」
長「……………うん。たっぷり、召し上がれ?」
雑「……っ!!ふふ、ありがとう。」
ちゃんと、伝わったよ。君からの『好き』って気持ち。
〜END〜
はい、長次が別人!!
イラストも見にくい上に、長次に見えないしね!雑渡さん、もっと格好よく描けるようになりたい………。
絵付き小説、意外に楽しかったです。
イラストに合わせて話を考えていってたんですが、途中でワケわからんくなりました。
こんなの読んでいただいて、ホントにありがとうございます!