KIRI-REQU

□雑渡の『長次くん観察日記』
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○月×日火曜日、天気 曇

今日は愛しのあの子を我が家へ招待した。すごく古くさい家だし、若者向けの物なんてあまり置いてないけど……楽しんでくれたら良いなぁ。あ、一緒に買い物に行けばいいか。欲しいのは何でもあげるよ。ああ、すごくドキドキする。だって、今日からしばらくはあの子と二人きりなんだもの。









カタリ…………



「ん?」



後ろから聞こえた物音で、男……雑渡昆奈門はペンを置き、後ろを振り返った。


「ああ、おはよう長次くん。よく眠れた?」


「…………っ!?」



声を掛けられた少年……中在家長次はベッドサイドに置かれていた眼鏡を掛け、目の前の光景に驚愕した。


「…………あんた…………誰だ……?」


自分を見つめる包帯まみれの男。一度会ったら、絶体忘れるはずがない。でも、長次の記憶には少しも掠りはしなかった。



「酷いなぁ、あんなに毎日見つめてたのに…………全然気づいてなかったんだね?私は雑渡昆奈門。ここは…………そうだね、黄昏時組本部って言ったら分かってくれるかな?」


「なっ!?」



黄昏時組……。この辺の住民、いや日本中でこの組を知らない者はいないんじゃないだろうか。それほど有名な組で、長次が住む市を中心に広大な縄張りを持ち、各地に支部を構えている。そんな所のトップが、なぜ自分を……?




「………………家に……帰してくれ。」



「えー?せっかく招待したのに、もう少し遊んでいったら?」



「っ!こ、こんなの、招待って言わない……!誘拐じゃないか…………っ!」


長次は、春から通う高校の下見を兼ねて外出していた。別々の高校に通う親友たちと会って、参考書やバッグを買い、すっかり日が暮れたあとようやく帰路についた。あと10分も歩けば家につく……。帰ったら、風邪で来れなかった伊作にメールをしなければ……。そう思っていた矢先、後ろから口を塞がれ、布に含まされていたのであろう薬の効果で長次は意識を失った。


そして、目が覚めてみたら、この状況だったのだ。



「誘拐なんて、人聞きが悪いなぁ。まぁ、手荒な真似をしたのは謝るけど……。」


「早く、ここから出せ……っ!じゃないと、警察に……!」



「………………君が通報するの?それとも、君の親?言っとくけど、長次くんのご両親からは了承を得ているからね?」



「え………………?」



目の前の男が不敵に笑う。



「君をここへ連れてくる前にね、長次くんのご両親へ挨拶に行ったのさ。『長次くんを黄昏時で、めとりたいと思います。息子さんを私にください』ってね。」



長次は絶句した。そんなの、黄昏時組の組頭が直々に来たら、断るものも断れないではないか……。



「だから、ね?なーんにも心配することなんてないよ?今日会ってたお友達だって、別々の高校に行くんでしょ?あんなに親しそうに、ベタベタ触らせて…………。私は基本的には寛大だけど、浮気だけは許さないからね?」



椅子から立ち上がり、ベッドへと近づいてくる。雑渡から逃げるように長次は後ずさるが、柔らかすぎる布団に埋もれてしまい、上手く身動きが取れない。



「気持ちいいでしょ?ウォーターベッドって言うんだっけ?長次くんのために新しく揃えたんだよ?これだけの広さなら二人でも余裕で寝れるし、多少激しくしても壊れないでしょ?」



長次は信じられないものでも見るように目の前の男を見上げた。言ってる意味が分からない……。まるで、この部屋で二人で生活する、みたいな……。



「言ったよね?私は君をめとったんだよ。つがいは常に共にあるべきだし、夜の営みだって当然のことでしょう……?」



「な………………っ。」



「もうね、我慢するのは飽きたかな……。セックスしようか長次くん?」



「やっ……!」


ベッドへと上がってきた男に組み敷かれ、長次は抵抗した。ただでさえ混乱しているというのに、こんなの許容範囲を越えている……!




「そんなに怖がらなくても大丈夫。いきなり突っ込んだりなんてしないし、長次くんが気持ちよくなるまで時間かけて仕込んであげるからね。」




































「っひ……。い、たい……!やだ……これぇ……っ!」



グチグチと秘孔に侵入してきた指が中を擦るが、痛いのと気持ち悪いのとで吐き気がする。それ以前に気持ちがついていってないのだから苦痛でしかない。




「やっぱり、いきなり後ろは無理かな……?あ、長次くん。ここ、どう?」


どうと聞かれても、気持ち悪いとしか言いようがない。


「ふぅん……。ここが一番感じる所なはずなんだけどねぇ……。」



雑渡は諦めたように指を引き抜くと、完全に萎えてしまっている長次の男根を握り、扱き始めた。



「ひぁあっ!?やっ、離せ…………っ!」


突然の刺激に、長次の腰が揺れる。



「ん、ぁ……っ、そんな…………強く、擦ったらぁ……っ、あ、やだ……!」



「そんなこと言って……気持ち良いんでしょ?擦っただけでこんなに乱れるなんて……。後ろの快楽を知ってしまったら、さぞかし淫乱になるんだろうねぇ……。」


雑渡は楽しそうに笑いながら、己の屹立を取り出した。すっかり勃起してしまっているソレを、長次のものと合わせて握り、一緒に擦り扱く。


「あっ……!あつ、い…………っ。やっ、先っぽ……、グリグリしたら……あっ、で、出るぅ…………っ!」




ビュクビュクッと長次が精液を迸らせた。イッた快楽でボンヤリしている長次に二人の屹立を握らせると、雑渡は腰を揺すり始める。二人の屹立が擦れあい、長次の精液と雑渡の先走りでグチャッグチャッと卑猥な音をたてた。



「ひっ、あ、なにこれぇ……!やぁ……っ!裏が……擦れて……っ、んぁあ!」


雑渡の動きに合わせて両手で扱く長次は先程まで警戒しきっていた少年とは思えないくらい乱れていて……。



「ふ……。素質は、充分に……あるね。これは……仕込み甲斐がありそうだ。………………っく!」








長次の腹に精液を撒き散らしながら、雑渡が果てた。同時に二度目の射精をした長次がぐったりと力を抜き、布団に埋もれる。続けての射精など初めての経験だったのだろう。意識が飛んでしまっている。




「……つづきは、また明日ね、長次くん……。おやすみ……。」





雑渡は長次についた粘液を拭ってやると、一緒に布団に潜り込み壊れ物でも扱うかのようにそっと抱き締めながら眠りについた。












 
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