KIRI-REQU
□君が好き
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『好きだ!長次!!』
「………………………………。」
一瞬、何を言われたのか分からなかった。ただ、いつもと違う輝きを放っている二人の瞳に気圧されて、声が出ない。
待ってくれ…………。好き……?誰が、誰を……?
いや、まさか…………。そうか、仲間として好きだということか……?それなら、私だって二人の事を…………。
「言っとくけど、友達としての好きじゃないからな!」
「愛してるの方だぞ長次!!」
……………………………………マジでか。
「そんな、こと…………急に言われても…………。」
今までそんな対象で二人を見たことなどなかったから、反応に困る。
「…………これでも今までアピールしてきたつもりなんだけどな。」
ボリボリと留三郎が頭を掻いた。
「ならば長次。今からでも良い、考えておいてくれ。お互いのことよく知らないから……なんて言い訳は通用しないからなっ!」
勢いで告白してしまった文次郎が今更恥ずかしそうに頬を赤らめてそっぽを向く。
「?なーなー、何の話だ?それより早く鍛練しよう!!」
一人おいてけぼりな小平太が早く鍛練したそうに唇を尖らせて間を割り、長次の手を引いてスタスタと歩いて行く。
「おいっ、小平太!」
「長次は俺と……!」
「もー!うるさいぞ!取り合って喧嘩になるくらいなら私が長次と手合わせする!!付いてくるなよ!」
凄む小平太に気圧され、二人はピタリと足を止めた。暴君に逆らったら何をされるか分かったものではない。
小平太と長次を見送った文次郎と留三郎は、仕方なく二人で鍛練することにした。邪魔者を排除するチャンスとばかりに技を繰り出す二人の迫力は、山を揺るがすほどだったとか……。
「んで、長次はどっちが好きなんだ?」
一方こちらは別の場所へと移動してきた6ろ組。
長次の手を引いて来た小平太は鍛練するわけでもなく、近くの岩に腰を下ろした。てっきり鍛練するのだと思っていた長次は拍子抜けする。
「長次さ、ホントは知ってたんじゃないのか?あの二人の気持ち。」
「…………………っ!」
小平太の言葉に、長次が息を飲む。
「で、嬉しいって、思ってるんだろ?長次も好きなんだよな?」
「こ、小平太………………どうして…………。」
「…………長次って、意外に分かりやすいんだよなー。」
顔、真っ赤になってるぞ。
ニヤニヤ笑う小平太の言葉に、長次は慌てて頬を押さえた。
「意地悪だよな、長次も!ずっと気づいてて知らないふりしてるなんてな!」
「……………………。」
長次は何も言い返せなかった。自分のポーカーフェイスは完璧なはずなのに、やはり小平太には通用しないらしい。
いつの頃からだっただろう。あの二人の視線に気付いたのは。
留三郎の焦がれるほどの熱い視線と、文次郎の慈しむような優しい視線。愛しさ全開で見つめられるのは、恥ずかしくて、でも心地よかった。留三郎と目が合えば胸が熱くなったし、文次郎と目が合えばすごく安心できた。
そして、いつしか自分の気持ちにも気づいてしまった。彼の目に、もっと映っていたいと……今度は見るだけではなくて、触れ合いたいのだと……。
「二人とも良いやつだからな!どっちを選んでも、私は応援してやるからな!」
「…………小平太……。」
「だから、長次はもう一人のために遠慮なんかするなよ。そんなの、あいつらに失礼だし、誰も喜ばないからな!」
「………………。」
コクリと頷く長次に満足そうに微笑んだ小平太は、鍛練する気はなかったのか、立ち上がり学園の方へと歩いて行く。そのあとを長次も追いかけた。
明日になったら、自分の想いを伝えよう。あんなに私を見つめていたのに気づかなかったアイツは、いったいどんな反応を見せてくれるのか……。
愛しい人に想いを馳せ、長次は小さく微笑むのだった……。
〜END〜
どひー!大変お待たせ致しました!
文+食×長でしたが、×というより→な感じですね、すみません…………。
なんか中途半端なできですが、このあと長次がどちらかを選んで、それぞれ話が進むんですが……18禁的な話になりそうでしたので、割愛。リクくださった方がエロだめだったりしたらアレなので(笑)もし、「何でだよ!こっから良いとこなのに!エロ大丈夫だよ!」なら仰ってください(^^)喜んで書かせていただきます!
予定では、熱く激しく求め合う留長と、愛し愛されイチャコラ文長の2ルートでのご用意になるかと……。
ていうか、ホント……リクもらったのが7月で……今何月よ?しかも、何か…………何か微妙な出来だった、かも。
と、いうわけで!大変お待たせ致しました!少しでも楽しんで頂けたら幸いです(^o^;)
25000hitキリリクありがとうございました!