KIRI-REQU

□可愛い恋人
3ページ/4ページ





唇を噛み締めて涙を堪える長次に数馬は自分の器の小ささを恥じた。



言われてみれば、確かにそうだ。長次は意外に沢山の人から好かれている。みんな、あの手この手で長次に触れようとするが、長次が自ら相手に触れる事はなかった。


しかし、相手が数馬の時は違った。長次の方から手を伸ばしてくれるし、数馬が何かしてあげる度に嬉しそうに微笑んでくれた。



「…………、ごめん、なさい………長次さん。僕、自信が無くて……。長次さんは本当に僕で良かったのかなって……。僕なんかじゃ、長次さんを満足させてあげられないんじゃないかって………。ただの、嫉妬なんです……。ごめんなさい!」




まるで土下座する勢いで謝る数馬に長次は目を見開いた。


数馬は、どこかいつも自分に遠慮している節があった。もしや知らないところで嫌われるような事でもしてしまったのかと思った時もあったが、そういうことか。



「…………ばか……。数馬がいいから、付き合ってるんだ。いらん心配するな………。」



「……………はい。」




「…………………試して、みるか?」



「へ?」



長次の突然の問い掛けに数馬は首を傾げた。







「私を、満足させられるか……試してみるか?」



「……………っえぇえええええーーーっ!」


長次の誘いに数馬はあわてふためいた。


「そ、そ、それって……つ、つつつつつまり……っ!!?」



「………………数馬……、だ、抱いて………っ!!」



真っ赤な顔で「こんな事、言わせるな…………。」とぼやく長次を見下ろし、数馬は首を振った。




「だ、ダメ、ですよ………。長次さん、熱あるし………。そ、それに……は、初めて、なのに………っ!!」



「……………さっきまで、無理矢理ヤろうとしてたくせに……………。」



唇を尖らせる長次に数馬はたじたじになった。


それは、そうだけど。でも…………っ!!



「……………数馬には、まだ早いかと思って、ずっと、我慢、してた………。」


長次は数馬の下半身に目を遣り、完全に勃ち上がったソレを袴越しに指でなぞった。



「ひぇっ!?ちょ、ちょちょちょちょちょ長次、さんっ!?」



「……………私と、するのは嫌?」



「嫌じゃないです!!!!」



数馬は即答した。




「で、でも、初めてだから……やり方だって、付け焼き刃な知識だしっ!!」



「………………いい。下手でも、めちゃくちゃでも………。数馬だから、許す…………。」




「ちょ、長次さん………っ!」



数馬は一度深呼吸をすると、決心したように頷いて、長次に覆いかぶさった。























「ん、ぁ、あっ!か、ずま……っ!!数馬ぁ…っ!!」



「んっ、はふ……、長次さんの中……すごく、熱い……。気持ち、いい……!」



初めての快楽に、数馬は我を忘れて腰を振った。結合部からぐちゅっぐちゅっと卑猥な音が響く。



「はぅっ、やっ、ぁああっ!!数馬……ぁ、私も、きも、ち、い……あぁああっ!!そ、そこばっかり……っ!!だ、だめ………っ!!」




たまたま見つけた前立腺を数馬はしつこいくらいに突き続けた。そこを刔る度に長次が気持ち良さそうによがるので、拙い知識を総動員して攻め続ける。




「ひっ、あっ、ああっ!!だ、だめぇ…っ!!も、イク、数馬ぁっ!!い、いっちゃ、う………っ!!あっ、ぁ……っ!や、ぁあああぁああーーーっ!!」



ビクビクと震えながら長次は白濁を吐き出した。イッた拍子に内壁で数馬を締め付けてしまい、我慢限界だった数馬は長次の中に精液を注いだ。しばらく恍惚としていた数馬だったが、ふと我に返り慌てはじめた。



「ご、ごめんなさい!長次さん!中に、出しちゃった…っ!!早く、掻き出さないと……っ!!!」



長次の中から引き抜こうと腰を引いたが、長次の脚が絡み付き下がれなかった。



「長次さん……?あの、離して……?」




「………ダメ。もっと、する……。」



子供みたいに駄々をこねる長次に数馬は苦笑した。



「数馬だって、まだ足りないんだろう………?また、硬くなってるもの………。」



図星をつかれ数馬は赤くなった。だって、しょうがない……。まさか、性行為がこんなに気持ち良いなんて………。



ズクンッと質量を増した数馬に長次は呟いた。



「………ぁっ……、若いって、素晴らしい………。」



「長次さん、年寄りくさいです……あいたっ!!!」



ポカリと頭を小突かれ、数馬は叩かれたところを摩った。





「いいから………、早く、動いて……。もっと、数馬を、頂戴………?」




小首を傾げる長次に数馬は胸を撃ち抜かれた。



「ホントに、あなたという人は………なんて−−−−−−。」




数馬の囁きに長次は一瞬目を見開き、満面の笑みを浮かべた。
















 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ