KIRI-REQU

□可愛い恋人
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雑渡と与四郎に襲われていた長次を無事救出し、自室に連れてきた数馬は、そっと長次を布団の上に寝かせた。



「長次さん大丈夫ですか?………まだ少し熱がありますね。」



さすが不運でも保健委員。テキパキと長次の熱を測り、手ぬぐい等を用意した。



代えの寝間着も用意しておこうと立ち上がりかけた数馬だったが、不意にピタリと動きを止めた。



「………………長次さん?」




長次が数馬の裾を握りしめていたのだ。





「数馬………、置いてかないで…………。」



熱で潤んだ目で見つめられ、数馬は大人しく長次の傍に座り直した。



風邪で苦しむ長次を前に不謹慎だが、数馬は長次の姿に見とれていた。



熱で潤んだ目、紅く染まる頬、汗ばんで首筋に張り付いた髪、寝間着から覗く桜色に染まった肌…………。





数馬はゴクリと喉を鳴らした。



寝込む長次は色っぽかった。自分が欲情するくらいに。






「……………長次さん……。」


長次の頬に掌を添え、唇を寄せた。長次もそれに気づき、そっと瞼を閉じる。



あと少しで合わさるというところで、数馬はふと動きを止めた。



…………思い出してしまった。雑渡と与四郎に迫られ喘ぐ長次を。


長次が心配でお見舞いを兼ねた看病に向かったところ、あの場面に出くわしたのだ。あまりの衝撃でしばらく戸の前で立ち尽くしてしまったのだが。






「……………?」



長次は中々落ちて来ない口づけに不思議に思い、目を開いた。



「………っ!!か、ずま…?」


長次はビクリと肩を揺らした。目の前の数馬は、笑っていた。しかし、その笑みはいつものではなく、ゾクリとするようなものだった。



「数馬………、怒って、る……のか?」


恐る恐る長次は口を開いた。…………だって、数馬の目……笑って、ない。



「………怒ってませんよ?」



それでも、数馬は怒ってないと言いきった。




「長次さん………。あの2人に何されたんですか?」



「な、何も………。」



「………正直に、言ってください。じゃないと、酷いことしますよ?」





やっぱり怒ってるじゃないか!と、長次は心の中でツッコんだ。





しかし、熱に侵された頭でアレコレ考えることも出来ずに、長次はポツリポツリと話始めた。




「………む、胸を………摘まれた、だけ………。」




長次の言葉を聞くやいなや、数馬は長次の袷をはだけさせた。


「かっ、数馬っ!!?」


暴れる長次を押さえ付け、数馬は長次の胸をじっくりと観察した。


「あぁ。赤くなってますね……。可哀相に………。」


ペロリ…



「っひぅ!か、数馬っ!!?」



数馬に胸の突起を舐められ、長次は肩を跳ねさせた。どうにか辞めさせようと数馬の髪の毛を掴むが、その手を剥がされ床に押し付けられる。



「大人しくしてて長次さん。じゃないと、手当て出来ないでしょう?」



「………こ、こんなの……手当てって、言わない……っん。」


反論すると、軽く甘噛みされ牽制された。



数馬にしつこく舐められ続ける長次だったが、しばらくすると膝をすり合わせ始めた。



それに気づいた数馬はニヤリと笑い長次の耳元で囁いた。



「…………乳首を舐めただけなのに……、感じちゃったの?長次さん………。」



数馬の囁きに長次はビクビクと肩を震わせた。



「長次さんて、ホントに耳が弱いんですね………。いや、耳だけじゃなくて、身体中全部が性感帯なんですよね?……いやらしい人………。」


「ち、違っ……!!」


「あの人達にココも触られたんじゃないんですか?」



数馬は長次の秘孔に指を這わせた。



「やっ!さ、触られて、ない。ぁ、やだ……、数馬!」


長次はフルフルと首を振り、数馬の下から這い出そうと身を捩った。



まるで自分を拒否するような長次の仕種に数馬はカッとなり、濡らしてもいない指を3本一気に捩込んだ。


「ひぁああーーーっ!!!い、いた、い……っ!!かず、ま……、ぬ、抜いて……っ!!」



あまりの痛さに長次は涙を零しながら懇願した。熱も下がってないため、思う以上に抵抗できない。



「……………、辞めろって言うわりには長次さんの、しっかり勃ってるじゃないですか。」



数馬は空いた方の手で屹立を撫でた。その刺激に長次の先端から先走りが溢れ出す。



「いやだ……っ!やめて、数馬っ!!こんなの、嫌………!」



「嫌々言うわりには感じてるみたいですけど?………あの2人にも、こんな淫らな姿を見せたんですか?」



「………ち、が……ぅ……!」



「ホントは、僕じゃなくても、誰にされても感じまくってるんですよね?僕以外の男でも、いいんでしょう!?」



「違うっ!!!」




思いがけない長次の大声に数馬は目を見開いて動きを止めた。















「………数馬、だけ。私に触れて良いのも、私が感じるのも、数馬だけ………。なのに、どうして、信じてくれない………?」



長次の呟きに数馬は息をのんだ。



「私が、好きだと告げるのも、傍に居て欲しいと思うのも……数馬だけなのに………っ!!」





 
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