うた☆プリ

□今宵はカーニバル!B
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「セシル!こっちこっち!!」
「わわっ、音也!なんですか?いきなり」
セシルの腕をつかんで走っていた音也がセシルとカミュの部屋の扉を開けるとパンっと大きな音が何回も響き渡った。
「・・・・」
セシルは目を丸くしてただ呆然と見ていることしかできなかった。
「ね、びっくりした?セシル」
音也が呆然としているセシルのお顔を覗き込んでそう聞くとセシルはこくりと首を動かした。
その顔には一筋の光が走っていた。
「って・・・・泣いてるの!?セシル!!」
セシルの顔を見てぎょっと驚く音也。
「みんな・・・・覚えててくれたんですね」
セシルがそう呟くとトキヤが一歩前へ出てきた。
「ええ。当たり前です。だって貴方は私達の仲間でしょう?」
「・・・・・トキヤ」
それまでずっと驚いていた音也はトキヤの言葉にも驚いたがその後には微笑んでトキヤの名前を呼んでいた。
「みんな、ありがとうございます・・・!」
セシルが嬉しそうにそう言うと
「ふん。礼などいらん。俺の隣にいるに相応しいお前を祝うのは当然だ」
「うわ・・・カミュ、今ドヤってしたでしょ?」
カミュの顔にツッコむ藍の言葉で場は一気に賑やかになった。
「さぁ、お料理と衣装も用意したんですよ〜?着替えてパーティーにしましょう!!」
那月がそう言ってパーティーは始まった。


「わぁ〜!セシルはやっぱり黒猫が似合うね!」
「音也も似合ってます!」
衣装に着替えたセシルと音也は褒め合いをしている。
「じゃじゃ〜ん!嶺ちゃんも着替えたよん♪どうどう??」
「わ、嶺ちゃんも似合ってるね!吸血鬼だ!!」
「ありがと〜!おとや〜ん♡」
嶺二は嬉しくて音也に飛びついた。
「おい」
その言葉と同時にひょいっと持ち上げられた嶺二。
「あ、ランラン」
「あんま、くっついてんじゃねぇよ。妬くぞ?」
「・・・・ふぇっ・・・・ランラン・・・・////」
「ったく・・・可愛い顔すんな!そんな格好だし・・・・襲うぞ!?」
「きゃっ・・・・きゃ〜!ランランのえっち〜!!///」
と、イチャイチャしている二人の後ろには人影が。
「ちょっと、いい加減にしてよね?みんなしてそういう雰囲気になっちゃって・・・」
「あれ?アイアイもしかして・・・」
「藍、お前だけ一人で寂しいのか?」
遠慮気味に言おうとした嶺二を遮って蘭丸が真顔で言った。
「はっ!?何言ってるわけ?別にそういうのじゃなくって・・・って、蘭丸ってデリカシーないよね、ホント」
「や・・・やっぱり・・・ランラン、謝りなさい」
「は?んでだよ。俺は何にもしてねぇだろ!つか、藍!誰がデリカシーねぇって!?」
「蘭丸。」
「あ!?てめっ、もういっぺん言ってみろ!」
「だから蘭丸」
それを見ている嶺二は半分呆れながらも止めていた。

「ん、やっぱりこれ美味しいね。聖川?」
「当たり前だ。腕によりをかけてつくったんだぞ?」
「はいはい。素直に喜んでくれればいいのに」
レンはやれやれと言わんばかりの口調で言った。
「・・・・・悪かったな」
「え?」
「・・・・素直じゃなくて悪かったと言っている!!」
「わわっ、そんなに大声出さなくても」
慌てるレンに真斗は近寄っていきなり抱きついた。
「ありがとう。レン・・・・。」
「・・・・えっ」
戸惑うレンに真斗は顔を真っ赤にして言った。
「こっ・・・・これはよっ・・・酔ってるんだからな!!」
「いや、お前飲んでないだろ。あーもー可愛いなぁ!!」
レンは言いながら真斗を強く強く抱きしめた。
「お?お前ら何してんだよ〜」
そんなところにニヤニヤした翔とニコニコした那月が来た。
「仲良しですね〜」
「なっ!?ち・・・ちがっ!違うんだ!!四ノ宮、来栖!!」
「お・・・落ち着けって」
慌てふためく真斗に翔が苦笑しながら宥める。
「わ・・・悪かったってば!でも珍しいもん見たからな〜♪」
「翔ちゃん、翔ちゃん!」
ニヤついて話す翔の隣で那月が翔の腕をぐいぐい引っ張っていた。
「ん?なんだよ、那月」
「僕達もぎゅ〜ってしましょう!ぎゅ〜」
そう言って那月は効果音と共に翔を抱きしめた。
「ちょっ・・・那月!!やめろってば!///」
「わ〜、翔ちゃん照れてますか?可愛いです!」
「な!?ば・・・馬鹿言うなよ!!」
と、いつもの漫才が始まってしまった。
「はぁ・・・おチビちゃんこそ見せ物ありがとう」
「ふん!お前達の方が仲良しだ」

「トキヤ〜!」
「うわっ!・・・・・音也!!」
走ってきた音也が飛びついて来て変な声を出してしまったことに怒っているトキヤ。
「まったく・・・・何の用ですか?」
「ん〜?なんかトキヤ見てたら無性に抱きつきたくなっちゃって」
えへへと笑う音也にトキヤは呆れ、ため息をついた。
するとそこに話し声が聞こえた。
「「・・・・・?」」
二人は声のする方へ耳を傾けた。


「なんですか?カミュ」
「愛島・・・・いや、セシル」
セシルと呼ばれた本人はまたも目を丸くしていた。
「誕生日プレゼント・・・というのか?まぁ、なんでもいい。これを受け取れ」
「これは・・・・?」
セシルが受け取った小さな箱を開けると一つの指輪が輝いていた。
「・・・ゆ・・・びわ・・・?」
「ああ。俺とのペアリングというやつだ。気に入ったか?」
「はい・・・・!」
そういってセシルがつけた指輪にはスカイブルーに輝く宝石がついていた。
「ちなみに俺のは緑色の宝石がついている」
「・・・カミュ、ありがとうございます!!」
「だから礼はいらんと言っているだろう。代わりに一生俺の隣にいると誓え」
「え・・・・?」
セシルはその言葉に少し戸惑った後、すぐに笑顔になって
「はい!誓います!」
と言った。
その笑顔は向日葵のように輝いていた。

「・・・・トキヤ、聞いた?」
「ええ、聞きました」
音也とトキヤは一瞬息を飲んで、
「みんな〜!ニュースだよ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」
「愛島さんが!!!!!!!!!!」
一同はそれを聞いて近寄って来る者と来ない物がいた。
カミュはそれを聞いて血相を変えて音也とトキヤに近寄って来た。
カミュの雷が落ちるのはまだ先の話だが。
(今日は本当に楽しかった。これもみんなのおかげです)



(カミュとは別の意味でみんなもずっと隣にいて下さいね)
(ワタシの大切な仲間たち・・・)


                                             ☆END☆
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