うた☆プリ

□二人でつくる輝く未来
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朝。
トキヤが目を覚ますと、目の前に箱があった。
起き上がって辺りを見回すと、いつもトキヤより遅く起きてくる音也が見当たらない。
(これは・・・一体・・・?)
トキヤは取りあえず、箱を開けることにした。
箱を開けると・・・・



二人でつくる輝く未来



ガチャ。トキヤは音也を探しに行こうと勢いよく扉を開けた。
すると、扉の横に音也が寄り掛かっていた。
「音也・・・・」
「あ。・・・・トキヤ、おはよう」
「おはようじゃ、ありません。早く中に入って下さい」
「え!なんで怒ってんの!?ちょっと、トキヤってば・・・」
言い終える前にトキヤは扉を閉めた。
部屋に入ると、トキヤは俯いたまま黙っていた。
「・・・・トキヤ・・・・?」
様子がおかしいトキヤが心配になり、音也はトキヤの顔を覗き込もうとした。
だが、トキヤがぱっと顔を上げたので覗き込むことはなくなった。
上げたトキヤの顔を見て音也は驚いた。
「・・・トキヤ、泣いてるの?」
「だ・・・だってぇ・・・おと、やが・・・う」
そう言ってトキヤは手を差し出した。
手の平には音也がプレゼントしたペアリングが乗っていた。
「う・・・嬉しくってぇ・・・」
「・・・・トキヤ・・・・」
音也はトキヤを優しく抱き締め、優しく撫でた。
「それ、あんまり高くないけど・・・・そんなに喜んでくれたなら良かったぁ」
トキヤの背中をポンポン叩きながら言う音也。
「結婚はできないけど・・・気持ちだけでもって思って、婚約指輪みたいにしたかったんだけど」
照れくさそうに言う音也。
「式とかあげられないけど俺、トキヤと家族になりたいんだ!」
「・・・・え?」
トキヤは目を丸くし、いつものトキヤじゃ考えられないような表情をした。
「ダメ・・・かな?」
「いえ、嬉しいです・・・・でも、私は男性だから貴方に家族をつくってあげられないと思うと・・・」
「なぁに言ってんの!俺にはトキヤがいればいいの!それに、トキヤが家族になってくれるなら俺、もう何もいらないよ?」
「・・・・音也・・・」
「トキヤ、ずっと一緒だよ?二人で輝く未来をつくって行こう?」
「・・・うん」
「約束!」

音也。私ね、人といることが嫌いだったんです。
心から思ってないことも平気で言って、地位の高い人に良く見られようと自分の利益しか考えない。
そんな人ばかりだと思っていました。
だから私は一人、孤独を選んだ。
でも、貴方に出会って自分自身でも変わったと思います。
馬鹿で能天気な貴方の言葉だけは何故か私の心に響くのです。
それから私は貴方を幸せにしたい、貴方と幸せになりたいと思うようになりました。
時にはそんな自分に嫌悪を抱くこともありました。
でも、貴方がそれでいいんだと教えてくれた。
貴方の存在が私の世界を明るく照らしてくれた。
貴方がいたから私は心から笑うことができた。
これはもう、好き、愛してるじゃ言い表せない大恋愛です。
だから、指輪をもらった時、嘘かと思うほど嬉しかった。
泣くじゃ足りない。胸が熱くて、熱くて仕方ない。
貴方の言葉が嬉しくて、嬉しくて。
本当は貴方に家族をあげたい。でも貴方が笑ってくれたから・・・・・私はその笑顔に何度救われたことか・・・・そう思ったら、また涙が出てきて。
私の一生をかけて恋をした貴方に一生をかけて幸せになってほしい。
そう思うんです。音也・・・

「トキヤ」
「はい?」
音也はトキヤの名前を呼ぶなり、トキヤの口を塞いだ。
「ん・・・」
音也ははなれると
「よろしくね!トキヤ」
と、笑った音也の顔は8月に咲く向日葵のように輝いていた。

こちらこそ、よろしく。
そして、ありがとう。
愛してますよ?音也。
ずっと、ずっと、一生ね。

                                   〜END〜
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