うた☆プリ

□迷子のココロ
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(えっ!?私ってまさか・・・)



いつも通りの朝、早乙女学園のAクラスの教室で春歌は音也達と他愛もない話を繰り広げていた。
「そういえば七海って好きな人とかいないの?」
音也がそう言うと春歌は目を軽く開いた。
「え?す、好きな人?」
「うん。好きな人!」
「一十木、女性にそんなことを聞くなんて失礼だぞ。」
二人の会話に真斗がわって入った。
「え?そうかな〜?」
「ああ、そうだ」
(好きな人・・・・かぁ。確かに皆さん優しいし大好きだけど、恋愛とは違う気が・・・)



昼休み。春歌はまだ朝の会話のことを考えていた。
「春歌?お昼行こう?一十木くん達も待ってるよ」
ぼーっとしている春歌に声をかけたのは春歌の親友、渋谷友千香だった。
「わっ!と、ともちゃん!?」
「なによ。人の顔見るなり驚いて」
「ご、ごめん」
「何か悩んでるんだったら早く言いなさいよ。」
「と、ともちゃん・・・」
その言葉に春歌は目をうるうるさせながら友千香の腕にくっついた。
「ちょ、春歌!?」


「あ、遅いよ七海〜」
「す、すいません」
謝罪していた春歌は隣で静かにメロンパンを口にする真斗に気がついた。
「あ・・・」
(か、可愛い・・・)
すると真斗は少し頬を朱に染めて春歌に声をかけた。
「・・・なんだ?そんなに見られると・・・・その、て、照れるのだが///」
「あ、すいません」
(可愛い!・・・・って!何を思ってるの!?私は!!!!)
「あ!翔ちゃん!!」
春歌がそんなことを思っているうちに那月が目当ての人物を見つけて目を輝かせていた。
「よぅ、那月。七海達も」
「あ、こんにちは。翔くん」
我に返った春歌は何事もなかったかのように翔にあいさつをした。
「あぁ・・・翔ちゃん、会いたかったよ」
「今日の朝も会っただろ」
と、那月の攻撃を翔は冷たくかわした。
「そうだ。翔ちゃん、今日の夜はセーラー服なんてどうかな?」
那月の怪しげな言葉を聞いて、春歌は
(えぇ!?セーラー服って?着てどうするの!?)
と、声に出したら「そこかよ!」とツッコまれそうなことを瞬間的に思っていた。
「ばっ!那月!!お前、こんな所でなに言ってんだよ!?」
「も〜、翔ちゃんは可愛いなぁ。こんなに顔、真っ赤にしちゃって〜♪」
その会話を聞きながら春歌は今までに感じたことのない感覚にとらわれていた。
(な・・・なにこれ?なんか、胸がきゅんきゅんする・・・。)
春歌が考え事をしてるうちに今度は音也が動きだした。
「トキヤ〜、あの二人がイチャついてるの見てたらトキヤとキスしたくなっちゃったぁ〜」
と、いつもと変わらない笑顔で言った。
(こ・・・今度はこっち!?・・・み、見逃せないっ!!ってなに言ってるの、私は!!!!)
そして、春歌の脳内は文字の羅列で大忙しだった。
「お、音也!人前ですよ!!」
「え?じゃあ、人前じゃなきゃいい?じゃ、トイレとか行こう!てか、トイレとか・・・・燃えるねっ!!」
「ば、馬鹿ですか!貴方は」
音也はテンションを異常に高くし、トキヤは顔を真っ赤にして冷静に対処している。
(わわっ、ト・・・トイレ!?うーん、それもそれで萌え・・・あれ?????)
そして春歌は自分の異常にようやく気づいた。
(えっ!?私ってまさか・・・)
そして、近くにいるレンが大混乱を起こすのはそう遠い話ではなかった。
むしろすごく早かった。
「神宮寺さん」
「ん?なんだいレディ」
春歌は一点を見つめながら呟いた。
「私って、腐女子というものなんでしょうか」
「えっ!?」
                                         ☆END☆
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