うた☆プリ

□Welcome to UTA☆PRI world!!
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−あ、また来た!
       うた☆プリworldへようこそ!−



正午。日が一番射す時間帯。
ベッドに寝転がりながら赤髪の少年、一十木音也が不意に口を開く。
「ねぇねぇ、トキヤ。」
「なんです?」
少年と反対側のベッドに座っていた音也より一つ年上の、一ノ瀬トキヤが手に持っている本から音也に一切視線を向けずに応えた。
「キスよりすごい音楽ってなに?」
「・・・・知りません。」
トキヤは反応に少し困ったが、余計なことを考えるのを止め適当にあしらうことにした。
「じゃあさ、まずキスしてみようよ!」
「は!?何を言っているんですか!というか、何でそうなるんですか!!」
「どうしてって・・・・わからないから・・・かな?」
「嫌です。」
「えっ!?即答!?酷いなぁ・・・」
と、音也はあからさまにいじけた顔をしてトキヤを見つめた。
「・・・・はぁ」
「?」
トキヤの溜め息に音也は首を傾げた。
「仕方ないですね。皆さんに聞きに行きましょう。」
「本当!?トキヤ大好きっ!!」
と言いながら、音也はトキヤに抱きついた。


「キスよりすごい音楽ねぇ」
「うん。レンはどう思う?」
「キスよりすごいなんて俺は無いと思うけどね。」
「えぇ!?そうなの?」
「そうそう、だってキスはなぁ・・・」
と、レンが語りだそうとしたとき
「夢を壊すようなことを言うな、神宮寺。」
「お、聖川」
「あ、真斗はどう思う?」
音也に聞かれ、顎に手をあてて考える真斗。
「それは比喩表現のようなものではないのか?だから、そんなに比べる必要などないんじゃないのか?」
「ひ・・・・ひゆ????」
音也の発言にトキヤは咳払いをし、閉じていた口を開いた。
「二人とも、ありがとうございます。行きますよ、音也。」
「えぇ!?ちょ、トキヤ〜」
「また来いよ、イッチー」
と、トキヤは音也の腕を引っ張って早歩きでその場をあとにした。


「え?キスよりすごい音楽?」
「はい。音也がどうしても知りたいと。」
「でも、比べるもんじゃねぇよな」
と、那月とトキヤの話に翔がはいってきた。
「確かにね。でも、キスってどれくらいすごいのかな?というわけで翔ちゃん、一回してm」
「馬鹿か!?お前は!!」
「翔ちゃんったら、照れちゃって・・・可愛いなぁ」
「うるせぇ!!!!」
「・・・・」
トキヤは呆れ顔でその場を去ろうとした。その時、
「トキヤ!!」
「え・・・っ!?」
「・・・・・・・・・・」
音也が急にトキヤにキスをした。のを見ていた那月と翔は口をぽかーんと開けている。
「な・・・なんですか!?急に!!」
「いや〜、キスってどれくらいすごいのかなって」
えへへ〜と音也は頭を掻きながら言った。
「・・・那月、行こう」
「ちょ、行かなくていいですから!!空気読もうとか思わなくていいですから!!」
トキヤは何事もなかったかのように退散しようとした翔と那月を必死に止めた。
「やっぱり、キスよりすごい音楽って本当にす〜っごいね!」
と、音也の爽やかな笑顔を見てトキヤは
「結局そんな結論ですか!!!」
と、肩をがくんと落とした。

                                    ☆END☆
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