零式

□小さな幸せ
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いつも通り0組の教室に入ると・・・


今日はいつもと違う、ちょっぴり特別な日になった・・・。



教室に入ると、みんなが目の前に並んでいた。
「ん?どしたの〜?おはよ」
僕はそう言うと、みんなが笑い出した。
「ははっ、どうしたって・・・今日はお前の誕生日だろ?」
と、エースが言った。
あ、そっか。
「あれ?今日だっけ?忘れてたよ〜♪」
「相変わらずだな・・・・」
「ん、で、みんな何してんの?」
「・・・・・・」
あれ?僕、変なこと言ったかな?
「お前・・・・」
「あはは、ジャックは天然だな」
エースは呆れてたけど、マキナは笑ってた。
「褒めても何もでないよ〜?」
「ちょ・・・ジャック、褒められてないから」
「はは」
あれ?褒めてないの?
エースはよくわかんないなぁ。
「そうだ。ジャック、みんなプレゼント持って来たんだぞ?」
「わぁ。ありがと〜」
みんなってあのエースも?
「はい、俺はこれね。」
「マキナ、ありがと」
あ、やっぱりチョコボw
「ジャックさん、私からも」
「デュース!ありがと〜♫」
デュースから貰うなんて思わなかったな。
「ジャック、私からも。おめでとうございます。」
「俺もだコラァ。大事にしろよ」
「トレイにナインもありがと〜!」
エースは・・・・・?
「・・・・・」
またムっとしてるし・・・・。
−ガチャ
ん?
「よっ!あ、いたいた。」
「ナギ!!」
「ジャック、今日誕生日って聞いたからさ。はいよ」
「え、いいの?」
「勿論っ♪」
って言いながらウインクした。
ちょっとドキっとするな。
やっぱりナギは可愛いみたい。
流石アイドルだなぁ・・・。
「・・・・。なぁに見てんの?そんなに可愛かった?」
「え!?なんでわかったの?ナギってすごいんだねぇ」
「え、マジだったの・・・・・?ふぅん」
って言ってナギは目を細めた。
「じゃあ、俺と付き合っちゃう?」
「あはは〜、いいよ〜。なんてね」
「・・・・・・本気なんだけど・・・」
「ん?」
ナギがなんかボソっと言ったけど、よく聞こえなかった。
「ま、いいや。よかったら今夜俺の部屋来てよ。」
「え?・・・うん・・・・?」
な・・・なんだろ。突然・・・。
ナギってたまによくわかんないな。
「じゃな〜」
「うん。ありがと〜」
ふ〜。いっぱい貰ったなぁ。
・・・・・・エース・・・・・・。
エースを見ると・・・・・あれれ?なんか怒ってる???
「え・・・・・エース?」
「・・・・・・」

「あ、皆さん。ここは空気をよんでこっそり退散しましょう」
「そうだな」
「おう」

「エース、どうかした・・・・?」
「・・・・・・・何が・・・・・」
「え?」
ずっと俯いて黙っていたエースが何か言った。
「何が、どうかしただっ!!!!!」
「うわぁ!え・・・エース!?」
「お前なんて・・・・ナギと仲良くしてればいい・・・・」
エース・・・・・もしかして・・・・?
「エース・・・・?」
「馬鹿!!僕の気持ちも知らないで・・・・お前なんて・・・・・」
「エース!!!」
僕は思わずエースを抱きしめていた。
「じゃ・・・・ジャック????」
可愛い・・・・
「エース。ごめんね。でも、エースがそんなこと思ってくれるなんて思わなかった。嬉しいよ」
「・・・・は・・・・・?」
「嫉妬してくれたんだよね?そんなの何よりも嬉しいプレゼントだよ。エース、大好き♥」
「・・・・馬鹿・・・・僕だって大好きだ!」
「うん。エース、キスしよ?」
「ん・・・・♡」

「わぁ!うまくいきましたね。」
「そうだなコラァ」
「はぁ、手伝っちゃったってワケか・・・・」
「あ、ナギさん!」
「ま、別にいいけどね。」
「大丈夫です!ナギさんは可愛いからきっと白馬の王子様が・・・・♥」
「・・・・デュースに言った俺が悪かった。」

「エースぅ!!」
「うわぁ!ジャック、あんまりくっつくな!」
「嫌?」
「い・・・・嫌ってわけじゃ・・・」
「あはは、かっわい〜✩」

あ、今更気付いた。
この世界は広い。僕達はそれのほんの一部、世界で考えたらとっても小さいけど。
でも、そう考えると、こんな小さい世界の一部でもこんなに幸せなんだ。
世界にとっては小さな幸せ。でも僕にとっては大きな幸せ。
ちょっとヘンだよね。
ねぇ、エース。こんな矛盾だらけな世界だけど、君は幸せ?


                                      〜END〜
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