零式

□アイドルは大忙しっ!
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0組。
クラサメが話を始める。
今日はいつものような話ではなく、少しの期間やってくる候補生の紹介をするそうだ。
「お前達も知ってると思うんだが・・・入れ」
そうクラサメが言った瞬間生徒達がざわめき出した。
「ねぇ、デュース。誰だと思う?」
「え?私は・・・男性の方がいいかと・・・レムさんは?」
「うん!私もそう思う!!」
と、キャッキャしてる者もいた。
ガチャ。
ごくん、と少しの期間とはいえ同じ組になる者をそれぞれ期待していた。
「あ!!」
その声を出したのはジャックだった。
その人物に驚いたのか、ジャックは失礼にも指を指して口を開いていた。
「ジャック。手を下ろせ。それと間抜けな顔をするな」
クラサメがそう言うとようやく我に返ったジャックが静かに席についた。
「すまないな。」
「いいえ〜♪」
お調子者のような軽口の青年はクラサメの言葉にやはりチャラけたような口調で言った。
「初めまして〜って言っても顔見知りの方が多いか。ちょっとの期間だけど、候補生のナギで〜す♪よろしく」
と、ウインクをして見せたが格好良いと言われるよりも・・・
「わ!デュース、期待通り・・・いや、期待以上に良い人材が来たわね!!」
「はい!あのウインクも可愛いです!一体誰とくっつくんでしょうか?もしかして、総受けってやつでしょうか!?」
と、ヘンな意味で目をつけられてしまった。
(・・・やりにくい・・・)
と、若干0組が何故か全体的に引かれたのだった。

自由時間。
「ナ〜ギ〜!!」
「うわぁ!!!」
ど〜んっ!という効果音が似合う、ジャックの飛び付きをくらったナギは背後から突然抱きつかれたため驚いて叫んでしまった。
「な・・・なんだよ、元気だな」
と、呆れたように言うナギ。
「ねぇねぇ、僕と遊ばない?」
ジャックはナギの言葉を半分無視して勝手に話を進めた。
「は?遊ぶって?」
「ん〜?ちょっとした大人の遊びかなぁ〜」
「・・・・は・・・・?」
その意味が嫌でもわかってしまったナギはなにかの間違いだと心中で自問自答を繰り返す。
「な・・・なに言ってんだよ。冗談なら他のやつにしてくれよな、俺ヒマじゃないし」
「冗談じゃないからナギなんだけど?」
そう言って近づいてくるジャックから逃げるように、ナギは少しずつ後ずさりをする。
だが、以外と壁と近かったようですぐに壁に背中が付いてしまった。
(やば・・・逃げられない・・・)
「逃げないでよ〜。酷いなぁ、ナギは。」
(もはや、ここまでくるとホラーだ・・・)
そんなナギにお構いなしなジャックは、壁に手をおき、ナギが逃げられないような体勢にしていた。
(む・・・無駄にデカい・・・)
ナギはそんなことにイライラしながらも、まだ逃げ道を探していた。
もう手遅れなことにも気づかずに。
「ね、ナギ。僕の相手してよ」
「は?馬鹿か、お前」
「冷たいなぁ〜。あ、ツンデレってやつ?可愛いね」
「・・・・はぁ!?何言ってんの?大丈夫か!?」
本気でジャックの頭を心配したナギにジャックは、
「心配してくれんの〜?ありがと♪大好きだよ」
と、言ってナギの額にちゅっとキスをした。
「・・・・っ!?」
「わっ。ビクってしたからビックリしたよ・・・ん、ビクってなんかエロいねぇ〜」
と、完全にナギを無視し好き放題喋るジャック。
「・・・・・・・」
「ん〜?ナギ、どうかした?」
「よく・・・・そんな言葉が出てくるな。有り得ない・・・」
ナギはすっかりテンションが下がってしまった。
もはやテンションとかでは、なくなっている気もするが・・・
「あはは〜、無視してごめんねぇ〜」
と、言いながらジャックは壁についてない方の手をナギのお尻に回していた。
「ね?許して、ナギ」
そう言ってジャックが手を動かすと
「ひぁっ・・・・」
「・・・・」
一瞬の沈黙がナギには何時間もの沈黙に感じた。
「へぇ・・・」
目を細めたジャックはそう言うと、また手を動かしだした。
「あっ・・・やめっ・・・」
「ふ〜ん。敏感なんだねナギ。ズボンの上からでもそんな気持ち良いの?」
「や・・・や、だぁ・・・ぁ」
完全にいじめられているナギは抵抗しようにもできず、ただ喘ぐことしかできない。
「こっちはもっとすごいのかな〜?」
「・・・・!!だめっ・・・」
ジャックは手を前へやった。
そしてナギのものを優しく撫でるようにした。
「・・・・あぁっ!」
「わ〜、やらしぃ〜♪」
涙目のナギは視界がぼやけてあまり見えないが、意識を飛ばされないように必死に耐えていた。
「ね、もっと激しくしよっか?」
「や・・・やぁ・・・ぁ」
誰もいないとはいえ廊下だということを二人とも忘れている。
ジャックはナギのベルトを取り始める。
「僕のはまだあげないよ。ナギが欲しいって言うまでね」
言い終えると同時にジャックはナギのズボンの中に手を突っ込み、さっきより少し強く握った。
「あぁぁっ!!」
ナギは刺激の強さに背中を弓形に曲げた。
「へぇ、そんなに気持ち良いんだぁ」
じゃ、もっと強くとジャックが言いかけると・・・
「おい、こんなところで何をしている」
と、この場にはなかったはずの声がした。
「・・・・げっ・・・」
ジャックはその人物に心当たりがあり、青ざめた。
「隊長・・・・」
「不純異性行為・・・・いや、不純同性行為か・・・・とにかく、こんなところでそのような行為はやめろ。」
「・・・・おっかねぇ・・・」
「なにか言ったか?」
「な・・・なんでもないです!じゃ、ナギ。今夜は僕の部屋来てね!!」
と、早口で言い去ってしまった。
「ふぅ・・・大丈夫か?ナギ」
「・・・・・ぅ・・・・」
クラサメは数秒の沈黙を聞いた後、手を差し出した。
「立てるか?」
「・・・・」
無言のまま手を取ったナギはよろけながらもなんとか立ち上がった。
「すいません・・・じゃあ」
と、行こうとしたナギがよろけたのに気づいたクラサメは思わずナギの腕を引っ張っていた。
「・・・あっ・・・」
「・・・気をつけろ」
ナギを抱く形となったクラサメは少し反応に困った。
それよりも、ナギが変な声を出したのがクラサメをそうさせた一番の原因だろうが。
「そうだ。ナギ、あいつの部屋にはいかなくていい。代わりに私の部屋に来い。」
「え・・・・?」
ナギが固まっている間にクラサメはそそくさとその場を去ってしまった。
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