デュラララ

□君の日
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(今日は朝からみんなの様子がおかしいです・・・)

朝、いつも通り新羅が登校するといつもは来るのが遅い静雄が珍しく教室にじっとしていた。
「静雄、珍しいね。おはよう」
と、新羅が言うと静雄は一瞬ビクっとしてそわそわしながら返事をした。
「よ、よぅ新羅。き・・・今日はあれだな・・・その、て、天気がいいな」
「うん?静雄君、あいにく今日は僕が嫌いな雨だけどね?静雄の天気がいいは雨の日なの?」
新羅が不思議そうに言うと、静雄は慌てた様子を見せた。
「おおおおおお俺が好きな日はお前の日だっつの」
「は?」
新羅はとうとう静雄の頭が狂ったかと心配になり、顔を覗き込んだ。
「おおおまっ、ち、近っ/////」
そんな新羅の考えも知らない静雄は、新羅の行動にアタフタしていた。
「あっれ〜?新羅とシズちゃんじゃん。おっはよ〜新羅。」
「おはよう臨也。」
「なんで新羅だけにあいさつすんだよこのノミ蟲」
「・・・・ねぇ、新羅」
「おい!」
(はぁ、仲良しだなぁ・・・)
新羅は心中で呆れ、支度をしながらふとさっきのことを思い出した。
(そういえば、静雄が言ってた僕の日ってなんだろう・・・?)

「岸谷」
昼休み。廊下を歩いていた新羅は門田に呼び止められた。
「ん?どうしたの門田君」
「臨也見なかったか?」
「あぁ、僕も先生に頼まれた仕事が終わったら行こうと思ってるんだけど・・・・それじゃ遅いか。屋上にいると思」
新羅の言葉を遮って門田は口を開いた。
「いや、それを手伝ってお前と行く」
「え、でも迷惑だし・・・」
「今日はお前の誕生日だろ?少しくらい甘えろ」
あ・・・・。
忘れてた・・・・。
新羅は今日が誕生日なことを門田に言われて思い出した。
「・・・そ、そんなの覚えててくれたんだ」
「当たり前だろ?・・・大切なお前の誕生日だし・・・」
「え?」
「い・・・いや、なんでもない」
門田は自分の言った言葉に今更はっとし、新羅が聞き返してきたが知らん振りをした。
(大切・・・・?)

「あ、新羅〜。やっと来た〜ってドタチンと一緒!?」
門田と二人で仕事を終えた新羅は、門田と一緒に屋上へ来た。
「なになに〜?抜け駆けはずるいよ?ドタチン」
「抜け駆け?」
新羅が不思議そうに首を傾げる。
(((か・・・可愛い!!!)))
三人は一斉に同じことを思ったが勿論、そんなことは誰も知らない。
「ねぇ、抜け駆けって何の?」
「新羅はい〜のっ」
「えぇ!?酷いなぁ・・・」
と、新羅が拗ねていると
「そういえば、新羅。誕生日おめでとう!」
「俺からもだ。おめでとうな」
「岸谷、おめでとう」
「ありがとう。門田君は二回目だけど」
と、新羅が笑いながら言うと
「え!?やっぱ抜け駆け!?」
と、臨也がムスっとした顔で言った。
「あ、悪い」
と、二人のやり取りを見ていた新羅は急に後ろから静雄の手が伸びてきたのにびっくりした。
「し、静雄?」
振り向いたとたん、静雄の胸にすっぽりと埋まってしまった。
「新羅」
急に離されたと思ったら静雄の顔が目の前にあった。
「しず」
「新羅、好きだ」
「えっ・・・し」
名前を呼ぶ間もなく唇に何かがあたって喋るのを止めさせられた。
(静雄と・・・キス・・・してる?)
新羅が気付いたときにはそれはエスカレートしていた。
「ん・・・・んんぅ」
「ドタチンずるいよ〜」
「悪いって」
まだ口論していた二人は新羅と静雄がやけに静かなことに気付いた。
そして視線を向けると、隠そうともせず堂々とキスをしている二人がいるではないか。
門田はフリーズし臨也は
「ちょっと!どうゆうこと!?」
「ん・・・っぷは」
「あ?んだよノミ蟲。こっち見んな」
「なんでキスしてるんだよ!」
「プレゼントだ」
「な!?俺のマネしないでくれる?単細胞!」
「んだと!?」
二人の口論に新羅は呆れつつもドギマギしていた。
「・・・岸谷、大丈夫か?」
「か、門田君」
「岸谷」
ひょいひょいと門田に手招きをされた新羅は何かと思いながら近づいた。
「・・・っん!?」
「岸谷、口開けなきゃ駄目だろ?」
「え・・・あっ・・・んっ、んんぅ・・・んぁ」
(あれ?門田君も・・・・・ど、して)
新羅の頭の中はどんどん混乱していく。
「って、ドタチンまで〜(泣)」
「ん、消毒だ」
「・・・はぁ」
涙目の新羅は会話の内容がいまいち耳に入ってこない。
「じゃあ俺は消毒の消毒ね!」
と言って臨也は新羅にキスをした。
「てめぇ、ノミ蟲の分際で」
「な・・・なんで俺はダメなのさ!」
「死ねーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
「うわっ!危ないじゃないか!」
「二人とも、落ち着け」
(な・・・・なんだこれ)




「じゃ、三人で食べればいい?だって今日は新羅の日だし♪」
「それなら許す」
「まぁ・・・いいか」
「いやっ!良くないよ!本人の意見も少しは聞いてっ!!!」
                                 〜END〜
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