1章「そして彼女は目を覚ます」

□1話
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“アデル…”

誰かの声がした。


“時が来ました…行ってくれますか?”


時とは何か。どこに行くのか。

わからないことだらけだったが、その声の主を助けなければいけないという本能が働いた。


行きます、と彼女は言う。


“アデル…私の愛しい子”


声がそう言ったとたんに、彼女の体に力が満ちあふれた。


“あの子のことも、貴女に託します”

“どうか、貴女の光が曇らず、その道に祝福がありますように”






その時、世界樹が光を放った。
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