少年少女の日常。

□4:見つけたボーイ
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余計なこと言わなければよかった…、足まで縛られちゃったよ。
監禁している本人はどこかへ行くし、頼りになるのはパソコンの明かりだけ。


「真っ暗、に近い…ヒロト、助けて……」


真っ暗な場所は嫌いだ、昔監禁された時と同じような感じ。
誰もいなくて寒くて…


「眠ったら、良いかな」


そう、昔も眠って助けが来るまで待ってた。目が覚めたら皆の泣き顔、ヒロトがきつく抱き締めてくれた。


でも今回は上手くいかないかもしれない。此処は数年前に使用禁止にされた体育館倉庫。
旧体育館になる、誰も入れないように有刺鉄線まで張られている。
見付けてくれるはずがない…自力で出るしか方法はないと思う。



「はぁっ…、気持ち悪くなってきた……」


ひとりは嫌だ、怖い。頭の中に、嫌な記憶しか流ない…
なんで今日に限って授業に出なかったんだ、自分を恨む。


「帰って来ら…彼奴、半殺しけってー……」


意識が朦朧としてきた、只でさえ狭い空間。
窓も締め切られて新しい酸素が来ない、長い間ここに居るという事だ。



夢の中でもいいから会いたい、そして…プリン食べさせろ



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