‐Short Story‐

□蜂蜜キッス
1ページ/1ページ




「あっちー…」


「暑いねぇ…」


「むしむしする!ああー、海に行きたい」


「昨日行ったばかりじゃないか。」


只今期末テストに向けての勉強中。相手はヒロト、学年トップの優秀生徒だけどスキンシップが激しいのが穴だね。
無論私の家で勉強中なんだけど都合悪くクーラーが故障中、まぁ縁側から涼しい風が入ってくるんだけど。


「糞厨二病とチューリップ早く帰ってこいよー…アイスーアイスー。」


「口が悪いよごんべー、女の子なんだからさ。女の子らしい言葉で喋りなよ。それにその服、風介と同じ格好じゃないか!
只でさえ短い袖をくるくるにして…」


「お前は母親か。」


「今帰ったぞー。…やべっ、花に水やんの忘れてた」


「ほらごんべーのお望み通りカリカリ君買ってきたからな。無論ソーダー味だ」


「おー!やったやった!」


やべぇ風介君神だわ。こんな暑い時期にはカリカリ君ソーダーに限るよね、てかヒロト汗かいてないし…何 故 だ。
同じ空間にいるのに、アイスが溶けて落ちそうなほど暑いというのに…


「んー!キーンって、キーンって!!」


「やはり夏でもアイスだな。まぁ冬でも食べるが…」


「い゛っ…頭に来た!キーンって!!!」


「二人とも急いで食べるからだよ。」


「なんでヒロトはそんなに甘ったるい蜂蜜味のアイス食べれるの。口の中ベタベタしない?うげっ…想像するだけで気持ちが悪い。うぷっ」


「吐くならあそこで吐くんだな」


「おいガゼル、あれは俺が一生懸命に育ててるチューリップの花壇じゃねぇか!」


「吐かないよ、食べない限りね!」


良くヒロトはたべれるなぁ…でも一口欲しいんだよね。少しもらおうかな、美味しいのかな。
…いや、でもきっと……甘いんだろうな。私の口内を壊しそうで怖い怖い。


「ん…?欲しいの?」


「い、いらないよ!そんな甘ったるい…。あ、晴也、コーラー味くれ」


「はぁ?お前にはソーダー味あるじゃねぇか」


「そうだぞ、ソーダー味があるじゃないか。浮気はいけないな。ソーダーと決めたらソーダーだ!」


「風介は黙れ」


「…グスン」


「あーあ、風介がいじけたじゃないか。」


風介がいじけた、やーいやーい!お前の母ちゃん美人!あ、お母さんいなかったや、姉ちゃん美人!瞳子姉さん美人だなぁ…


「あ、勉強忘れてた。べんきょーべんきょー。」


「風介、皆にサイダーを持ってきてくれないかな」


「ああ、いいぞ」


「俺はコーラー!って言っても持って来てくれねぇだろうな」


二人をパシリにするヒロトは流石元ジェネシスリーダーだと思う。また二人きりだ、アイス食べ終わっちゃったしなー…でハズレだったし。
ヒロトはまだ食べてる、おっそいなー


「ねぇ、ヒロトアイス頂戴!…頭痛くなってきたけど」


「うん、良いよ。それじゃあ…」


「はっ…ん、」


こ い つ き す し や が っ た 。

しかも甘い!なんて甘さだ、蜂蜜の味がする。…嗚呼、頭が痛いなんて言わなければよかった。
きっと私がそう言ったからぬるくしてあげようと思ったんだろう。
But!だがしかし!暑い、夏の暑さであついんだ。ヒロトの体温が高いせいか口内に忍び込んでくる舌も暑い


「ふぅッ…ん」


「あ」


「へ」


「っは…気持ちよかっt」


「んなわけあるかぁあああああ!!」


なにサラっと聞いているんだこいつは!苦しいし風介は口ポカーンと開いて突っ立ってるし、晴也なんか自分の頭にコーラをあげてるし。

勿論スパーンっ!と新聞紙を丸めた筒で殴ったけどね。
ほんと何考えてるかわかんないよ。


そんなことより勉強勉強





蜂蜜キッス


(な、なんて破廉恥な…!)(おいグラン、ごんべーにナニしやがったんだよ!)(あら、晴也君ったら変態ね、ナニもしてないよ)
(本当に良い迷惑だなぁ…ディープキスしただけだよ)(したんじゃねぇか!!)



何を書きたかった私、ナニを



 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ