‐Short Story‐
□チェックメイト
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「私は君を知っている」
―コトンと音がなりチェス盤に駒が置かれる―
『俺はあんたを知らない』
―今度は荒々しく駒が置かれ不機嫌な男の子。―
「君と私は繋がってる」
―優しく音が鳴り一つ取る―
『自意識過剰な奴は嫌いだ』
―一つ取られ怒る男の子―
「君は本当に忘れてしまったんだね」
―また一つ、また一つ、取られていく黒い駒―
『だから俺はお前なんか知らねぇんだよ』
―どんどんなくなっていく自分の物、荒々しく吐き捨てる言葉―
「ねぇ、もう終わりだよ」
―周りに居た者は取られてあと数人、王の周りには誰も居ない―
「チェックメイ『チェックメイトだ。』」
―ガタンッ、椅子が倒れ机の上のチェスは地面に落ちる。少女の言葉は阻まれ口を塞がれ―
「んッ…」
―軽い口付けをされ、現実に―