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□お前だけは、
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「お前が好きなのは、軍人か?」
意地悪っぽく笑い、ナイフを首筋に当ててみる。
それでもスプレンディドはびくともしないでこう言った。
「僕が好きなのは……目の前のキミだ。」
いつも言われているのにかかわらず、ドキリと心臓が高鳴る。
…しょうがないな。
「はは、じゃあご褒美な」
俺はナイフを持った手をおろし静かにスプレンディドの唇に自らの唇を重ねる。
サラリとスプレンディドの髪の毛が当たってくすぐったい。
「…ん」
唇を離すとスプレンディドは嬉しそうに笑った。
「君からしてくるなんて、今日は積極的だね?」
「…別に……」
自分でしといて赤面するなんて。
俺…かっこわりぃな…。
「…ははっ……」
スプレンディドはクスクスと笑いだした。
「なんだよ…」
ちらりとスプレンディドを見る。
「僕以外のみんなに、殺人鬼って言われてる覚醒君が、僕の前だとこんなにかわいくなるなんて…」
笑い終えるとスプレンディドは微笑んだ。
「嬉しいじゃないか。」
しょうがないだろ…
だって―…
「お前だけは、特別だから。」
<お前だけは、>
end.