小説
□ぷりん
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「なン、だと…………?」
一方通行は冷蔵庫を開いて愕然としていた。
後で食べようと、大切にとっておいたプリンが無くなっていたのだ。
「あの三下ァ……なにやってンだァァァアア」
一方通行は怒りに震えながら叫んだ。
「だたいまー」
当麻が学校から帰ってきて、家のドアをあけた瞬間、スリッパがすごい勢いで飛んできた。
ギギギ、首を無理矢理スリッパの飛んできた方へ向けると、そこには
まるで鬼のような顔をした一方通行が立っていた。
「よォ、三下ァ。おかえりィ」
「た、ただいま……」
一方通行の殺気に冷や汗が流れる。
何かやったっけ?!そんなことを考えるが特に思い当たることは無い。
だが、このままではまずい。
何がって命の危機だ。
このままではもう片方のスリッパが飛んでくる。
とにかく、このままでは恐ろしいと、怒っている理由を聞こうと口を開いた、が。
「人のプリン食いやがったなァ?」
「はっ?」
一方通行の口から出た言葉に、当麻は固まった。
「あれほど俺のプリン食うなっつたろうがよォ」
「え、えーと……一方通行……?」
「死ぬ覚悟は出来たか?」
にっこり、なんて音がつきそうな笑顔で、片手に持ったスリッパを全力でぶん投げた。