小説

□にょたいかぱにっく!
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「んぅ……ん?」

朝、いつも通り風呂で寝ていた当麻は自分の体の違和感に首を傾げた。
男の自分にはあるはずの無い二つの山。
何かの夢かと思い自分の頬を抓ってみたが、痛いだけだった。

「え、え?」

どうしてこうなった。
それ以外の言葉が思い浮かばない。
しばらくの間オロオロしてたら
中々起きてこない当麻を起こしにかインデックスが、風呂のドアを開けた。

「とうまーあさなんだ……え?」

インデックスは当麻を見るなりピタリ、と固まった。




「当麻が女の子だったんだよ……」

しばらく放心状態だったインデックスが、ようやく口を開いた。
どうなっているのかが分からずに混乱しているが
本人である当麻はインデックス以上に混乱していた。

「てか、なぜこんなことに……?不幸だ……」

お決まりのセリフを言い、項垂れる。
もう一度言おう、どうしてこうなった。
昨日も相変わらず不幸だった。
朝起きたら8時半、学校に行く途中に落ちていた、空き缶をふんずけ転ぶ。
その時に道路に落ちていた犬の糞の上に転ぶ。
学校はもちろん遅刻で、小萌先生に叱られる。
下校中はスキルアウトに追われたり、御坂に追われたりで
夕飯を買いに行けば財布を忘れた。

そのほかにもまだまだ沢山あるのだが、ひとまずそれは置いておこう。
何も無かったとは言えないが、いつも通りだったような気がする。

なのに、どうしてこうなった。

原因が分かるまで何度でも言い続けてやる。
本当に、どうしてこうなったんだ。

「でもこれって魔術とかなのかな?」
「だとしたら、俺にはこの右手があるから効かないと思うんだけどな……」

当麻の右手、幻想殺しは異能の力であれば、何でも打ち消すことが出来る。
だから、魔術が原因げあればその魔術を打ち消してるはずだ。

「ところでとうま、学校どうするの?」
「学校?」
「今日は木曜日なんだよ」
「しまった……ふ、不幸だぁぁぁぁぁあああああああ」

当麻の叫び声が部屋に響いた。

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