小説 宝物

□えびす様から
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『自惚れないでね。』





鈍い音がして、スペードは痛みに顔を歪めた。

蹴られたお腹をおさえ、苦しそうに息をする。

「どう?俺らのものになる気になったか??」

「答えろよ、スペード。」

ジョーカーはスペードの綺麗な頬をそっと撫でた。

「自惚れないでよ2人とも。僕がそんな軽い奴だと思うの??」

強気な笑みを浮かべ、スペードはジョーカーの顔に口に溜まった血を吐いた。

「思ってないからこうやって監禁してんだよ。わかるか?」

「要するに僕が魅力的ってことだね。」

おどけたようにこたえれば、シャドウに、きつく腹を蹴られる。

「ほんっと、最っ低…。」

「最低で結構。」

シャドウはスペードの頬に軽くキスをする。

「わけわかんない。君達本当何がしたいの!?」

「だから、スペードがほしいんだってば!」

ジョーカーがニコリと笑い、スペードの髪を優しく撫でた。

「ならさっさと犯すなりなんなりしちゃえばいいんだよ!!こんなところに何日も監禁して頭おかしいよ!!」

いつの間にかスペードの顔から笑みは消え、目に涙をためていた。

「体奪っちまうのは簡単だけどよ」

「俺たちはスペードの全部がほしいんだぜっ??」

「俺達しか見えなくなるように、痛みによる調教なんだ。」

「気持ちいいことしても、調教になんないだろ??」

ジョーカーがスペードの右手を、シャドウが左手を優しく握った。

「こうやって監禁しとけば、スペードの前には、俺達しかいなくなる。」

「……」

「 そうすれば、スペードも俺達を好きになるしかないだろ??」

「犯罪だ。」

「「それは今更…」」

「だよねー…。」

「だから、な、俺達を見て?」

「…そんなの、偽りにすぎないよ…」

今までにない位、かなしそうな表情で、スペードは言った。

「そんな顔するなよ。」

「偽りの心でもほしいと思うんだ?」

「偽りかどうかなんか、誰にもわからないぞ。」

ジョーカーが優しく言うと、スペードはポロポロと涙をこぼした。

「どうしたんだよ??」

力無さげに首を横にふり、ジョーカーを見た。

「君達なんて、大っ嫌いだ。」
スペードはジョーカーに体を預け、目を閉じた。

−ずっと前から君達の事を好きだったのに…
ぼろぼろに傷ついた腕をジョーカーの首にまわして、そっと抱き締めた。

「どうしたんだよ??」

「好きになってあげようじゃないか。君達の気がすむまで、調教なりなんなりすればいいんだ。」

そういって、また笑みを見せた。

2人は嬉しそうに笑って、スペードの髪にキスをした。

「だけど、自惚れないでね。もし僕が君達を好きになったとしても、それは所詮偽りなんだから。」

−こんな形でしか愛を伝えられないなんて。本当に最低な人間だ。

2人に、そして自分に向けて、スペードは言葉を放った。


おしまい。



























えびす様素敵すぎる小説ありがとうございます!!
みんなの会話がまた可愛い(>ω<*)♪

これからよろしくお願いします(≧∇≦)

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