krk 短編集
□だからあんたといるだけで幸せだって
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「かーずなりー。」
俺の部屋のベッドにくまの人形を持ってきて飾っているこいつは俺の幼馴染。
「んー…?」
俺は月バスに目を落としながら生返事。
「見てみ、むっちゃかわいいっしょ?」
くまの人形は俺と美桜んちの家族とが一緒になってTDSに行ったに買ったやつ。
おそろいで買おうと聞かなくてすげぇ高いのを無理やり買わされたやつ。
「かずのはこのリボンついてるほうね。」
「んー。」
「うわ、また生返事。もうかず嫌い。」
「はぁ、悪かったよ。んで何?」
美桜はニッって効果音が聞こえてくるくらいに唇の端をぐいっとあげて笑った。
俺が一番すきな笑い方。
「おそろっちー。」
「そだなー。」
あぁ、好きなんだろうな俺。
美桜のこと。
「ねぇ和成。」
「なに?」
「あんさ、和成がいてくれてよかった。私さ、かずいなかったらこんな楽しくないもん。」
「…いきなりどうした。」
「好きだよ、和成。」
「…ふはっなにそれ!」
「うーわ、最低だ。笑うとか…」
「嘘だって、俺も好き。」
「てゆーかその…誕生日おめでと。生まれてきてくれてありがとう。」
「ん、サンキュ。」
あー、やっべぇ今俺幸せ。