krk 短編集
□バカ
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「信じられない!」
なんであたしが怒っているのかというと。
「死ね!バカガミ!!!」
「死ね!?」
こいつは何もわかってないわけで。
というかあたしはこいつが好きなわけで。
「もう知らない!!」
「お、おい!」
原因はついさっき。
こいつとの会話の中にあるのだ。
… … …
「ねぇ大我、あたしさ、大我のこと好きだわ。」
「…は？何言ってんだよ。お前がそんなこというなんて気持ち悪ぃ。」
… … …
そう、こいつはあたしの告白を気持ち悪ぃと言ったのだ。
「なんだよ、大我。むかつくわ〜。」
「お?美桜じゃん。」
「あ〜伊月先輩。」
伊月先輩はひらひらと手を振って駆け寄ってきた。
「ていうか、先輩。なんで大我はあんなにばかなんですか？」
「さぁ…それは今に始まったことじゃないからな。」
うーん。と真剣に考えてくれている伊月先輩に
真剣に考えてくれなくてもいいですよと言い残しその場を後にした。
「黒子君」
「美桜さん、どうしたんですか？」
「大我、見かけなかった？」
「いえ、僕は見ていませんけど。」
「そう、ありがと。もしどっかであったらメールしてくれる？」
やっぱあたしが告白したのが悪かったんだ。
バカガミに。
家路についている途中。
あたしは自己嫌悪に陥っていた。
「美桜!!」
「…来ないでよ!ほんと嫌い。」
「悪かったって。俺、なんかしたか？」
「…やっぱわかってないじゃん。」
もう最悪だ。
思ってもないことべらべら言っちゃって。
「本当にそういうところ大嫌い。」
違う。
ホントはそういうところが大好きなんだって。
「そうか。俺は…お前のこと…。」
もういうなら言って。
嫌いって。
「好きだ。」
「…は?」
「だから…好きだ。」
ていうか
「顔真っ赤」
「あたしも好きだよ。」
大我にべたぼれなあたしも相当バカ。