krk 短編集
□シリウス
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シリウス
あなたの後姿をもう何度も追いかけた。
だけどあなたのその顔を見たのは初めてだった。
「青峰君!!」
「美桜っち!」
「どうして止めるの?黄瀬君…お願い行かせて。青峰君のところに行かせて。」
「だめっす。また、傷つくかもしれないんすよ?主将から言われたんす。」
「ばか…また1人になっちゃう。」
あなたの後姿をもう何度も追いかけた。
だけどあなたのその顔を見たのは初めてだっ
た。
「私がいかなきゃいけないのに。」
いつだったかあなたは大好きなバスケを憎むようになった。
自分の才能を憎むようになった。
それから、いつもあなたは傷をつくってかえってくる。
私にはそれが耐えられなかった。
「どうして?」