太陽は僕らに背を向ける
□まだはじまったばかり
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神様。
もしも願いが叶うならば私は今このときの永遠を願います。
叶わないのならせめて一瞬でも長く今にいたい。
どうか、私達を離さないで。
『大ちゃん、桃ちゃん知らない?』
「あ?知らねぇよ。」
青峰大輝君。
私と同じ帝光中学校のバスケ部のエース。
『そっか。ありがと』
「あー、黄瀬がお前のこと探してたぞ。」
『涼ちゃんが?』
黄瀬涼太君。
私が居候させてもらっている家の家主で私の幼馴染。
同じバスケ部員でもある。
「あ、昊っち!!」
『涼ちゃん、どうしたの?』
「今日、買い物行くんで付き合って欲しいっす。」
『買い物?いいよ、涼ちゃんには迷惑かけっぱなしだし、それくらいなら行くよ!!』
「ありがとうっす。」
『ううん。確か今日は中練だったよね。部活の後一緒に行こう!』
いつもの会話。
私は涼ちゃんの家にわけありで居候させてもらっている。
涼ちゃんはモデルで、涼ちゃんを好きな女の子はたくさんいる。
私は当然嫌な目で見られるわけで。
「じゃあ部活で」
『うん』
「ねぇ、黄瀬君と喋ってるのって誰?」
「知らないけど、黄瀬君ひとりじめとかありえない。」
でもそれも、もう慣れた。