06/24の日記

18:52
穢翼のユースティア・ヒロイン別感想(ネタバレあり)
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続いては、各ヒロインごとにフィーチャーした章の感想について書いていきます!



フィオネ編
→この章のテーマは、おそらく「信念」でしょうね。
そのくらい、意志を揺るがせずに貫き通すことの難しさを描いていたように思います。
このお話、フィオネENDを迎えてカイムとフィオネのいちゃいちゃを見るよりも、ぶっちゃけフィオネとフィオネのお兄ちゃんの絆の方が泣けましたね(笑)
本当に、素敵な兄妹愛でした!
あと、やっぱりフィオネは恋に走るよりも、自分の信念に従って戦い続ける方が合っているなと思います(笑)
自分の日記を見て、カイムと出会ってからは彼のことばかり日記に書いていることに気がついて、「ああ、私、あんな男に現を抜かしていたのね」と言わんばかりに日記のページを破り捨てて、燃やすシーンが地味に好きです。
事件の捜査がメインでしたので、見ていて結構楽しかったです。



エリス編
→この章のテーマは、ストレートに「依存」でしょうね。
いやー……エリス、ひっじょうに面倒臭い女でした。
カイムも、なかなかに面倒臭かったけども。
「お互いぐだぐだ言って問題を先延ばしにしないで、さっさとどうにかしなさい!」と、思わなくもなかったです。
このお話も、ヒロインとの恋愛よりも、別の部分で楽しかったです☆
組織間の抗争……なかなか熱かったんですけど、最後の方は割とあっさりと問題が解決した感じがして、ちょっと勿体無かったですね。
あと、エリスENDに突入した途端にエリスが急に物分かりのいい女になったのは、正直冷めましたね。
ユーザーにストレスを与えないための処置だったのかもしれませんけど、今まで散々病んでいた人間がそんな早く更生するはずがないだろうと、ちょっとイラッとしました。
どうせなら、ちょっとずつ更生していっているんだけども、まだまだ闇を抱えているエリスをカイムが懸命に支えていく、というスタンスの方がよかったかなあ。



聖女イレーヌ編
→この章のテーマは、間違いなく「信仰」でしょう。
若干、宗教の人間への影響力を恐ろしく感じました。
あと、この辺りからカイムの「他人に影響を受けやすい」という欠点が浮き彫りになってきましたね。
プロローグでは「立場が変わると、がらっと意見も変わる」、エリス編では「面倒事を先延ばしにしようとする」という欠点が見受けられましたけどもね。
物語を進めていくごとに、一見完璧なカイムにも色々な弱さがあるのだなあと、実感させられました。
あと、このお話では割とティアと一緒にいるシーンが多くて、個人的に嬉しかったです。
前回までのお話では、カイム、仕事に奔走している感じでしたからねぇ……。
このお話でもやっぱり、イレーヌ(本名はコレット。イレーヌというのは、聖女としてのお名前で代々受け継がれていくものみたいです)との恋愛よりも、コレットとお付きのラヴィリアの姉妹のように強い絆の方に涙しました。
しかし、メルト……貴女があんな目に遭うとは、少しも予想できませんでした……。



リシア編
→リシアはこの物語の舞台となる空中浮遊都市・ノーヴァス・アイテルの王女様なのですが、プロローグで微塵も姿を見せなかったのには驚きました(笑)
もし、事前に公式サイトを見ていなかったら、OPムービーで「この金髪ツインテール、誰!?」と、確実になっていたでしょう(笑)
うーん……個人的にエリスが一番面倒臭いヒロインだったのですが、リシアはエリスの次に面倒臭かったです。
世間知らずのお姫様って、個人的に肌に合わないのかな……。
ただ、女王としての覚悟を決めた途端、一気に成長しましたね!
ですので、この章のテーマは「成長」かな。
きっと、元々聡明な女の子だったのでしょうねぇ。
ただ、今までは自分に都合の悪い現実を受け入れられなくて、耳を塞いで目を閉ざし続けた結果、他人からの自分にとって都合のいい言葉を盲信するようになっちゃったのでしょうね……。
あと、ルキウスの正体は、エリス編から勘付いていました(笑)
スタッフさん、彼の正体に関しては隠す気なかったのでしょうか……。
というか、ユースティア、結構私の勘が当たっていて、ある意味驚きました(笑)
フィオネ編のラングの一件や、黒羽のこととかも……あれだけ意味深な描写があったら、簡単に予想がついちゃいますよ……。
聖女イレーヌ編のラヴィリアのこととかもね、内容までは分からなくても、何かあるんだろうなあって察しがつきました。
それから、結局リシアの本当の父親って誰? って、個人的に思っちゃいました(笑)
衝撃の事実として爆弾を投下しておきながら放置するのは、ちょっと勿体無い気がしましたね。
あと、欲を言えばギルバルトが悪に堕ちていった様を、もっと丁寧に描写して欲しかったなあ。
このお話でも、リシアとの恋愛よりも、リシアと彼女に忠誠を誓うヴァリアスの関係が素敵でしたねぇ。
ヴァリアスと彼の奥様の信頼関係も、思わずうっとりしてしまいましたね。



ティア編
→この章のテーマは、「決断」でしょう。
カイムとティアが肩を並べて、焚火に当たりながら二人で一緒に居続ける未来を語るシーンが、まるで遠い日の出来事のように感じられるくらい、その後の展開は暗かったですね……。
正直、カイムが葛藤するのも無理ないほど、重大な選択だったと思います。
彼の既に挙げた弱さも、ここでまとめて露見しますし。
というよりも、あの決断をあっさりとできた方が不気味です。
頭のネジが数本抜け落ちているのか、あまりのプレッシャーに正気を失ってしまったんじゃないかと、疑ったかもしれません。
ですが如何せん、葛藤の時間が長過ぎるかなあ……とは思いました。
別に、あそこまで引き延ばす必要はなかったんじゃないかな。
それだったら、ルキウスがあれほどまでに実利を追い求めるようになった経緯だとか、天使になってまで人類を救おうとしていた初代の聖女・イレーヌが人間に絶望し、破滅を願うまでに至るまでの経緯を見たかったです。
ルキウスとシスティナの絆も、もっと尺を取って見たかったですね。
あの結末は賛否両論分かれるでしょうけど……個人的には複雑な部分はあるけれども、ああするしかなかったかなという気はしますね。
もしかしたら、決断が遅かったカイムへの罰が、あの結末なのかなって気もしますね。
それと、都市を救いたいからとカイムの干渉を拒んでおきながら、「自分を犠牲にしてカイムを守ったとしても、いつかカイムが自分のことを忘れて、別の女性と結ばれるのかもしれない」という可能性に思い至った途端、彼への憎しみが芽生えてしまったティアへの罰でもあるのかな。
「ティアを守りたい」という答え自体はとっくの昔に出ていたのに、そのことに気付かないで決断が遅くなってしまったカイム。
「カイムを守りたい」という意志から壊滅寸前の都市を救おうとしたのに、ほんの些細なきっかけで彼を憎み、あろうことか世界の滅亡すら願ってしまったティア。
そんな彼らに、この世界の神はそれぞれ裁きを下したのかもしれません。
カイムには、「ティアの犠牲の上で成り立った世界で生きていたくない」という願いを嘲笑うように、彼女のいない世界で生きるという罰を。
ティアには、一人の女の子として幸せになりたいと願っていたにも関わらず、多くの人間と世界を救い、人間としての肉体を失う罰を。
だとすると、あの結末は納得するしかないですよね……。
ですが、個人的には愛する人と結ばれて家庭を築くことだけが、幸せな恋の結末ではないのかなと、本作を遊んで思いましたね。
そういう未来を、たくさん辛い思いをしてきた二人に歩んで欲しかったという気持ちは捨て切れませんけど、愛する女のために全力で戦い、彼女のいなくなった世界でも自分の足で立って前に進んでいけたとしたら、きっと最期には最高の人生だったと思えるんじゃないかな。
愛する人のために全力を尽くし、この世界のどこかで彼の生き様を最後まで見守れるのも、幸せなんじゃないかな。
それにこの二人、どうやら夢の世界では会えるみたいですしね。
「楽園幻想」というおまけシナリオは確実にカイムが見た、ただの夢だったのでしょうけど、「カイムの覚醒」ではちゃんと本物のティアに会えていた気がします。
だったら、常に一緒にいることだけが彼らの幸せじゃないのかなーとも思います。
愛する女に見守ってもらいながら懸命に日々を生き抜く傍ら、夢の中でだけは恋人と逢瀬を重ねるカイム。
懸命に日々を生き抜く恋人を見守る傍ら、夢の中でだけはカイムと逢瀬を重ねるティア。
……これも一つの幸せじゃない!? って考えるのは、おかしな話でしょうか。
あと、「穢翼のユースティア」というタイトルの意味は、光り輝く天使の翼を持っていて世界を救ったティアだけれども、彼女は恋を知り、愛を知り、憎しみを知り、たった一人の男を守りたかっただけで、決して無垢な存在ではないよ、その翼は美しいけど確かな醜さも持っているよ、っていう意味なのではないかなあと、個人的に解釈しました。



……すっごく長々と語ってしまいましたが、そろそろ締めくくろうと思います。
それでは、次回のブログにてまたお会いしましょう。

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10:38
穢翼のユースティア全体感想
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お久しぶりです、小鈴です(^^)

ユースティア、あれからせっせと進めて参りましたが、ついに先日フルコンプしました!
なので、ちょっと感想を書かせて頂きたいと思います!
あくまで、これは私個人の意見ですから、「こういう見方もあるんだな」程度に考えて読んで頂ければと思います。
それでは、まずはネタバレなしで書いていきましょう!



いやー……これは確かに、賛否両論はっきりと意見が分かれそうな作品だなと思いました。
個人的には、非常に面白くて良作の部類に入るなと思います。
……が、ギャルゲーとして良作かと考えると、微妙ですね。
これは多分、色々な女の子との恋愛を楽しむ恋愛アドベンチャーゲームではなく、一人の男性と少女の運命と愛の物語だったんでしょうね。
そのくらい、主人公・カイムとメインヒロイン・ティアの物語という印象が強かったです。
だから、この二人の物語だといわれれば、かなりクオリティの高い作品だった気がします。

どこかでヒロインの一人が言っていましたが、他のヒロインたちはきっと相手がカイムじゃなくても構わなかったんでしょうね。
縋れる人がいれば、それでよかった。
たまたま目の前にカイムみたいに頼れる男がいたから、彼に縋らずにはいられなかった。
もし、カイム以外の男であっても、その人が頼りになって甘えられる相手であれば、きっとその人に恋をしたのでしょう。

でも、ティアはカイムでなければ駄目だった。
たとえ優しい言葉をかけてくれる人がいたとしても、カイムでなければ意味がなかった。
そういう描写が実際にありましたし、見ていて「ああ、相手がカイムだからこそ、この子は一喜一憂するんだろうな」と思わせるところがありましたね。

でも、まあ……この組み合わせで幸せになれたのかと訊かれると、「……捉え方次第かな」としか言いようがないんですけど(苦笑)
賛否両論分かれる結果になったのは、ティアENDという名のトゥルーエンドも含めてだと思いますし。

でも、どっちにしても心に何かを残す作品だと思います。
「これ、お勧めだよ!」と、全力で誰かに勧められる作品ではない気がしますが、個人的には出逢えてよかったと思える作品でした。
公式サイトであらすじを読んでOPムービーを見てピンと来た方は、楽しめるかもしれません(^^)

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