07/02の日記

16:27
ティアブレ語り〜イヴ編・その2〜(ネタバレ含む)
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さて、先程の続きです!
今回は、あらすじを振り返っての考察もどきです。



……うーん……小鈴、イヴは大好きなんですよね。
儚げなビジュアルはもちろんのこと、純真無垢で天真爛漫なところが、特に大好きです。
しかも、彼女の場合、本当の本当に純粋。
不純物が一切ないんですよね。
でも、それもクレイドルが記憶を取り戻さないように、ほとんどの知識や感情を今のイヴから取り上げた結果なのだと思うと、切ないものもありますが、彼女は全ての真実を知った後も変わらずに己を貫いていて、本当に尊い。
もちろん、混乱はしていましたし、現実への理不尽さを感じてもいましたけど、それでも自分は自分だと言い切れる強さには、尊敬します。
裏を返せば、イヴはティアブレの世界で一番のエゴイストかもしれないとも思うんですよね。
彼女は所詮道具に過ぎないのに、それでも我を通そうとしているわけですから、見る人によっては本当にエゴイスト以外の何物でもないなと。
ロウがイヴに怒りを感じるのも、ある意味仕方がないのかなーと。
ルートによっては、過去イヴもイヴのことを道具としてしか見なしていませんでしたからね。

でも! 個人的には、過去イヴの方がどうかと思うかな!

まず、ロウとの一件に関してなんですが、あれ完全に情に流されて、中途半端な優しさで決めたんじゃないかなって気がするんですよね。
目の前で泣いている彼が、可哀想だから。
だから、私だけは味方になってあげなきゃって。
まあ、過去イヴはユニオンの姫君だの何だのと呼ばれていましたが、とあるルートでのイヴの言う通り、兄が騎士であること以外、特別なところなんて何もないただの女の子だったわけですから、そういう気持ちになるのも無理はないと思いますが(いいお家で育った時点で、普通じゃないとも思いますが、過去イヴの特別なところは環境だけって意味なんでしょうね)。

でも、だったらどうして、ギルが一緒にネオスフィアに避難しないと知った時、ロウの手を離したのかなとも思うわけですよ。
辛いけど、歯を食いしばって堪える場面ではないかと。
だって、戦時中ですよ?
兄さん、騎士として戦争に参加していたわけですよ?
いつか、そういう時が訪れるかもしれないと、覚悟していなかったんでしょうか。
そして、ギルが逃げずに戦うと決断した暁には、その覚悟を家族として受け止めるべきだったんじゃないでしょうか。
むしろ、過去イヴがしたことは、ギルの決意を侮辱するものだったんじゃないかって気さえしました。
確かに、命は大事です。
義理とはいえ家族なら、生きていて欲しいと願って当然です。
でも、やっぱり状況が状況だったのに何の覚悟もできていなかった彼女が、甘かったのでしょうね。
あと、ロウもどうしてギルのところに向かおうとしている過去イヴを追いかけなかったんでしょうか。
ずるい言い方かもしれませんけど、「僕と一緒に生きるって、約束したじゃないか!」とでも何でも言って、引き止めればよかったと思います。
でも、ロウは彼女の背中を見ることしかできなかったんですよね。
その結果、二人は離ればなれになってしまう。
この件に関しては、どっちもどっちだったのかな。
過去イヴはどちらか一人を選べなくて、彼は動けなかった。
そんな悲劇だった気がします。

そして最後に、過去イヴが孤独に耐えきれなくて狂っていく過程についてですが、おそらく彼女が「みんなに愛されたお姫様」だからこそ、余計に耐え難かったんでしょうね。
どうして? どうして、私が一人ぼっちでこんなところにいなきゃいけないのよ?
私はただ、みんなと一緒にいたかっただけなのに。
それなのに、どうして?
……やっぱり、過去イヴは甘かった。
情に流され、中途半端な優しさを振り撒き、大切な分岐点で何も選べなくて、最終的には全てを失った。
さらに、孤独に耐えきれなくなった彼女は、結果的に自分の身代わりまで用意させ、身代わりに自分の人生を歩ませた。
……勝手だなって思いました。
自分の人生は、自分だけのもののはずなのに。
自分の言動には、自分で責任を取らなければいけないはずなのに。
過去イヴは、逃げたんですよね。

個人的に思う、過去イヴの選択ミスを挙げましたが、本当に一つ一つは些細な過失だと思います。
でも、ここまで重なってくると、取り返しがつかなくなってしまうんだなと、しみじみと思います。
でも、きっと過去イヴの罪は彼女を取り巻く環境が作り上げた罪なんでしょうね。
だから、過去イヴ一人を責められるかと言われれば、そうじゃないと思います。
多分、過去イヴの幼馴染だったロウにも、義理の兄だったギルにも、母親みたいに面倒を見てくれていたアイナにも、彼女を姫様と慕った騎士たちや国民にも。
何事もなければ罪とも呼べない罪を、少しずつ積み重ねていってしまったのではないかなと思います。
過去イヴは、姫様と呼ばれるような大層な存在ではなかった。
ごく普通の女の子だったけど、周囲が特別な存在として仕立て上げてしまい、本人もそう思い込んでしまっただけなのかもしれませんね。
これが、彼女という存在について考察した、結論です。

……たくさん過去イヴについてきついことを書いてしまいましたが、嫌いなわけではありませんよ?
ただ、苦手なだけです。



それでは!
長々とお付き合いくださり、ありがとうございました。
続きは書くかもしれませんし、書かないかもしれません。
……なにせ、気まぐれで始めたものですからね(苦笑)
ですが、もし続きを書いた時には、また覗いて頂けたら嬉しいです♪

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14:09
ティアブレ語り〜イヴ編・その1〜(ネタバレ含む)
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こんにちは、小鈴です(^^)

しばらく更新を停止すると書きましたが、ティアブレのOP見たら、つい語りたくなってしまって(苦笑)
ですので、暇潰しに読んで頂けたら、嬉しいです♪
それでは、さっそく始めていこうと思います!
まずは、イヴについてのあらすじを。



「悠久のティアブレイド」のヒロイン・イヴ。
序盤の段階から、彼女の言動には違和感が付き纏います。
死の概念を知らない辺りは、ずっと孤独にAIと生きていたのだから、ある程度は仕方がないなと思いました。
ましてや、イヴは不老不死の人間ですからね。
ですが、イヴと彼女の世話係である管理AIのクレイドルが暮らしていた、地下シェルター・ネオスフィアにやってきたシュドとアタルヴァと初めて出逢った時、彼らは真剣に話しているというのに、イヴはクレイドルに「食事の時間です」と促された途端、あっさりと話を打ち切ってしまいます。
これも、孤独だったからこそという側面もあるでしょうが、恐ろしいほどに切り替えが早いなと思ってしまいました。
それでも尚、話は終わっていないと食い下がる二人に、彼女は「じゃあ、ごはんを食べながら聞かせてくれる?」と、提案します。
……何でしょうね、この徹底してルーティンワークを他人に乱されたくないという感じは。

しかし、話が進んでいくにつれて、イヴもだんだんと人間らしい感情を取り戻していき、情緒面においては違和感が薄れていきました。
その代わり、果たして彼女は何者なのか、どうしてネオスフィアでクレイドルと一人と一体だけで暮らすようになる前の記憶がないのか、そもそも何故孤独を強いられる羽目になったのか……と、疑問は次々と湧き上がってきましたが。

そして、イヴにずっと会いたかったというロウと、彼と手を組んでいる完全自律型AI・アルカディアに、何故か死を求められることにより、猜疑心は最大限まで膨らんでいきます。
「『イヴ』に会うためには、君という存在が必要不可欠なんだ。僕が『イヴ』と一緒に死ぬためには、君に死んでもらわなきゃいけないんだ」と、主張するロウ。
どうして自分が死ななきゃいきないのか、死ななきゃいけないならその理由を教えてと、訴えるイヴ。
そこで、彼は彼女の前に巨大な装置の中に入れられている、ある人物の姿を見せます。
――その少女は姿形は違えども、もう一人の『イヴ』(以下、過去イヴ)だと説明されます。
そして、過去イヴの記憶を通して、イヴは自分の存在意義を知ることとなります。

過去イヴの正体は、三千年前の世界に存在した、ユニオンという国のお姫様でした(正確にいえば、孤児だった彼女が身分のある家に引き取られてお嬢様として育っただけで、本当のお姫様というわけではありませんが)。
そして、ロウとは幼馴染で、戦時下という状況ではありながらも、比較的裕福な国だったユニオンで幸せに暮らしていました。
過去イヴは難民の救援活動なども精力的に行っており、みんなから愛される模範的なお姫様と言えたでしょう。
しかし、その幸せもやがて終止符が打たれました。

ユニオンの敗北が濃厚になってきた頃、国の議長(今の日本で言うところの総理大臣みたいなもの)は、巨大地下シェルター・ネオスフィアを作らせて国民をそこに避難させ、息子であるロウに不老不死の施術を行い、人類の指導者として任命します。
そこで、彼は過去イヴに一緒に生きてくれと懇願します。
僕一人で、想像もつかないくらい長い長い時を、老いることもなく生きていくのには耐えられないから、と。
ロウに泣いて縋られ、彼女は共に生きていくことを決意します。

そして、シェルターに避難する当日。
過去イヴは、とある情報を耳にしたのをきっかけに、ロウの手を離してしまいます。
そこからはもう、ひたすら負の連鎖が続いていきます。

とある情報というのは、過去イヴの義理の兄であり、ユニオンの神殿騎士団団長であったギルが、シェルターには避難せず、負けが決まっているも同然の戦争に出撃するというものでした。
彼女はどうにかして兄を連れ戻そうとしますが、護衛を務める女性騎士であるエルゼに昏倒させられ、強引にネオスフィアへと連れられていきます。
しかし、ネオスフィアに到着して目を覚ましたのはいいものの、ロウの姿が見つかりません。
それだけではなく、いざ彼を捜しにいこうとした直後、敵の化学兵器によってネオスフィア中に毒が撒き散らされてしまいます。
その毒で、不老不死の身体となった過去イヴ以外の住民は、死亡。
彼女の他には、もうネオスフィアを管理するロボットであるクレイドルしか残っていませんでした。
それでも、過去イヴは自分と同じく不老不死となったロウなら生き残っているかもしれないと、一縷の望みに縋って彼を捜そうとします。
しかし、クレイドルの記録によると、彼はネオスフィアには足を踏み入れてはいないとのこと。
もしかしたら、ネオスフィアへの移動中に何かあったのかもしれないと、戦争で焼け野原と化した地上を、小型ロボットを使って捜索を開始しました。

過去イヴが一人になってから、百年が経過しました。
過去イヴは、ロウの捜索をクレイドルに行ってもらう傍ら、住民たちの墓を作り続けていました。
住民の数は、百万人。
百年経っても、全員分の墓は到底作り終わりませんでした。
この頃の彼女は、ロウが見つからない事実に苛立ちを募らせながらも、まだ心に余裕がありました。

三百年が経過しました。
全員分の墓を作り終えても尚、ロウの行方は不明のまま。
ついに我慢の限界を感じた過去イヴは、クレイドルに命じます。
ネオスフィアを地上に浮上させろと、自分にロウを捜させろと。
今まで敵が残っている可能性を危惧して、彼女を地上には出さなかったクレイドル。
今でもその危険性が残っているため、必死に過去イヴを止めようとしますが、彼女は言うことを聞きません。
過去イヴの剣幕に折れたクレイドルは、仕方なく地上行きを決行しますが、ネオスフィアが浮上を始めたのをきっかけに、地殻変動が起きてしまいます。
結果、大地震に襲われ、地上――彼女たちがかつて暮らしていたユニオンの都市・スフィアは地盤沈下により、海に沈んでしまいました。
……こうして、ロウ捜索の手段は全て絶たれてしまいました。

四百年が経過しました。
生きる希望を失った過去イヴは、毎日毎日、自殺行為を繰り返していました。
正常な判断力を失った彼女を、クレイドルは拘束することに決めました。

五百年が経過しました。
過去イヴの心は、ついに壊れてしまいました。
その上、過去イヴを不老不死とたらしめた特殊な化学物質・ナノマシンの欠点が彼女を襲います。
それは、記憶のオーバーフロー。
たとえどんな傷を負おうとも、どんな病気にかかろうとも再生される身体は、脳も例外ではありません。
五百年間、忘却されることもなく記憶が蓄積され続けた結果、過去イヴは自身の記憶を幻覚や幻聴という形で延々と見続けます。
そんな中、彼女は願います。
みんなに会いたいと、地上に出たいと。
そう願った刹那、過去イヴのナノマシンは暴走を始めます。
過去イヴの姿を異形の化け物にしてまで、ナノマシンは彼女の願いを叶えようとします。
クレイドルや人型兵器・ティアブレイドによって、何とか過去イヴを無力化し、元の姿へと戻すことに成功しますが、彼女は新たな願いを口にします。
――私を、壊してと。
死ぬことさえできないなら、せめて全てを忘れたいと。
もう一人で生きるのには、耐えられないのだと。
虚ろな目で訴える過去イヴを前に、彼は彼女の願いを聞き入れることを約束します。

限りなく人間に近い、ロボットのボディを用意し。
過去イヴの頭から脳を摘出し、そのボディに移動させたことで、脳に宿っているナノマシンをコントロールし、記憶を封印し。
――そして目覚めたのが、シュドたちが出会ったイヴです。
イヴの正体は、過去イヴの脳を保管するための、ロボットだったのです。

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