ヴァンジェ ―異端の花嫁と獣の王者―

□Chapter16. 『揺れる心』
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貴方と言葉を交わさなくなって、どれほどの時が流れたのかしら。

勇気を出して声をかけても、その目を見てしまうと何も言えなくなってしまう。

どうして、貴方はそんな目をするの?

私に何を求めているの?

私は――どうすればよかったの?

お願い、そんなに苦しそうな顔をしないで。

どうか……どうか――あの狂おしいほどの熱に浮かされた目で、愛しているのだと切に訴えかけてくる目で、私を見て。
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